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俺を異世界に召喚した悪い魔女の婆さんをロリババアにしたら何処までも粘着して来るようになったんですけど!?  作者: アステロイドV2
第一章

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拘置所

───ポートリス王国、取調室。


昨夜のジカス商会で起こった人身売買の被害者である、一組の男女の悲痛な声が検察官の心を少なからず動かしていた。


「俺は……!妹のように可愛がっている彼女を助けたいその一心で───ッ!!」


今回の事件を発覚させた冒険者である少年は、自分の感情を隠すことなく検察官にぶつける。


「うぅ……お兄ちゃん、私……私……っ!!」


奴隷として売られる寸前で間一髪救出された少女は、自分が受けた仕打ちを思い出し泣き崩れてしまう。


「大丈夫、もう大丈夫だから……!」


泣いている少女を抱きしめ頭を撫でる。


「……人より少し魔法の才能があるからと言っても彼女はまだ幼い女の子なんです!それなのに奴らは重犯罪者に刻まれるようなタトゥーを……!!」


「痛かった……!痛かったよ!!」


「彼女だけじゃない!今回の被害者である女性たちは皆、心に深い傷を負っています!俺は奴隷売買に関わった者達、その全てに厳罰を望みます!!」




「…………なーんて具合に皆の同情を買いつつ、ジカスとの面会も取り付けた訳ですが……これからどうするのさ?」


「まあ黙って見ておれ」


つい先程、お涙頂戴の三文芝居を披露したキョウとディザベルの二人は拘置所(こうちじょ)に来ていた。


というのも何やらディザベルはジカスの野郎に聞きたいことがあるらしい。


ああ、インタビューね、分かりましたよ。


俺は二つ返事でOKし、ディザベルと一緒にジカスと面会することになった訳だが───


俺は、この時『そんな簡単に知りたい情報を引き出せるのかな~』くらいにしか考えていなかった。


「な……何ィィィ!?」


ジカスとの面会が始まるや否や、ディザベルは監視の為に周りにいた兵士達の頭上に白金(はっきん)の剣を召喚し脳天から串刺しにした。


「な、なにやってんのぉぉぉ!?」


「なに、死んではおらん、眠らせただけじゃ」


「えぇ……こんな猟奇的な峰打(みねう)ち初めて見たわ…………」


「さぁてジカスよ、ワシの質問に答えてもらうぞ?」


ディザベルは、ジカスの頭に右手を伸ばす。


「や、やめ……!ろぉおおおおおごごおおごゴゴゴ!?」


ディザベルはジカスの頭を右手で掴むと、バチバチッ!と桜色の魔力が放たれる。


時折、ディザベルの桃色の魔力がスパークを起こす度にジカスの身体がビクンビクンと跳ねる。


「おいおいおい!!これ本当に大丈夫なやつ!?マジで死なない!?」


「殺したらワシらが追われる身になるじゃろうが」


「脳に障害とかは!?」


「気が散れば出るかもしれぬのぅ」


「──────」


キョウはディザベルに責任転嫁(せきにんてんか)されたくなさすぎて、すぐに黙った。


「…………チッ」


暫くしてディザベルは舌打ちしながらジカスの頭から手を離した。


「帰るぞ」


「え、ええ!?帰るの!?コレこのままでいいの!?」


「10分もすれば目が覚める。ワシたちが問題なく面談をしていた夢を現実と信じて」


「あの猟奇的なヤツは催眠術だったの!?それならもっとスマートでスタイリッシュな見た目にしてよ!!」


さっさと面会室を出て行くディザベルをキョウは置いていかれないように付いていき、二人は拘置所(こうちじょ)から外に出る。


時刻は大体18時頃。もうすっかり日が落ちて夜の暗闇が広がっている。


キョウは往来(おうらい)を歩きながら先程、ディザベルがジカスにやっていた行為について質問する。


「さっきのアレ、一体何したの?」


「アレは以前お主にも使った記憶を読み取る魔法じゃ」


「以前っていうと……若返りの魔法を調べた時か」


「うむ」


「それで何を調べようとしたの?」


「それは、ここでは言えぬ。宿に戻ってから話す」


「おっ、了解了解」


キョウはディザベルに歩幅を合わせながら宿に向かった。

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