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俺を異世界に召喚した悪い魔女の婆さんをロリババアにしたら何処までも粘着して来るようになったんですけど!?  作者: アステロイドV2
第一章

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風呂イベント②

「ほれ、ぼさっとしてないで早く脱いで来い」


ワシはバスチェアに座ったまま後ろを見るとタロウは嫌そうな顔をしている。


「なんじゃ、不服か?ワシのような可愛い女子に身体を洗われるんじゃぞ?何が不満なのか?」


「こういう性的な嫌がらせを俺の世界ではセクハラって言うんですよ」


「ふむ……では仕方ない」


ワシは、バスチェアから立ち上がり、タロウの方に向き直る。


「分かっていただけましたか?」


「お主が脱がぬと言うなら、今ここで服を切り刻むぞ?」


「コイツ無敵か!?」


「ほれほれ、どうする?」


ワシは自分の周囲に白金(はっきん)の剣を4本召喚してみせる。


「分かった、分かったから!」


「ならば早く行って来い」


「お……覚えてろよ……!」


タロウは、捨て台詞を吐きながら浴室を出て、脱衣所に向かって行った。


「…………いっそ、このまま逃げてやろうか」


「見ておるからな~」


「見ないで、エッチ!!」


「早くしろ」


「はい」


タロウは急いで服を脱ぎ、腰にタオルを巻いて浴室に戻って来た。


「そこに座れ」


「はいはい…………」


時間は掛かったが、ようやくタロウがバスチェアに座ったので、早速タロウの髪を洗い始める。


しかし、この若返った身体だと背が低いせいで立ちながら出ないと上手く洗うことが出来ない。


それに腕も短いので、お互いの体が密着するくらい近づかないといけないのも難儀じゃのぅ。


「ふぅ……この身体じゃと、洗うのも一苦労じゃな……よいしょ……っと」


「……あの……肩に乗っかってるんだけど」


肩に乗っているというのは、ワシの胸の事。


ワシはタロウの顔を挟むように、タロウの両肩に両胸を置いていた。


お陰で胸の重さから解放され楽でいい。


「うむ、丁度良い所にあったからな。お陰で楽でいいぞ?」


「…………前々から思ってたけど何でそんな平気なの?羞恥心とか無いわけ?」


「別に今更、お主に裸を見られたくらいで、どうも思わん」


「俺は気にするの!」


「え~、もしかしてお兄ちゃん、ルルの裸見て興奮してるの~?」


「違うから!自分の母親や祖母の裸を見た、見られたくらいの気まずさと恥ずかしさがあるんだよ!」


「本当に口の減らない奴じゃのう」


ワシはお湯を溜めた風呂桶をひっくり返し、タロウの髪に付いた泡を洗い流す。


「やっと終わった…………」


「何を言っておる、まだ身体を洗っておらぬぞ?」


「背中ッ!背中だけな!?前は自分で洗うから!!」


「なんじゃ?前も洗った方が良かったのか?」


「いらないって言ってるでしょ!」


タロウはボディタオルを手に取り、さっさと自分の身体を洗い始める。


ワシもボディタオルを手に取ってタロウの背中を優しく洗い始める。


「……お主、何故ワシを助けた?」


「はぁ?まだ落ち込んでんの?」


「いや、単純に気になっただけじゃよ。お主は、これまでの生活を全て失ってワシに召喚された身、恨みこそあれどワシを助けるなんて、その理由がどうしても想像つかなくてのぅ」


「いやいや、一年も一緒に生活してたんだよ!?普通助けに行くでしょ」


タロウは、さも当然のことのように言い放った。


「たったそれだけでか?」


「充分すぎるでしょ」


「…………今はどうじゃ?」


「なに?」


「ワシはジカスの奴の言う通り2万人以上を殺した殺人鬼。そんな奴をまた助けようと思うか?」


「あの話、本当だったんだ……」


「なんじゃ、信じとらんかったのか?」


「そりゃあ敵の言う事を一々、真に受けてられないし」


「それもそうか」


「……でもまあそうだな……おばあちゃん」


「ん?」


「俺のいた世界の創作、作り話では世界の危機を救うために、その世界の王様やお姫様が別の世界の人間を勇者として召喚する話が結構あるんだよ」


「変わってるのぅ。そんなもの(てい)のいい奴隷ではないか」


「ふっ、確かにね。……でまあそんなこんなで勇者として召喚された異世界人は、世界を救ってハッピーエンド、めでたし、めでたしで終わる訳よ」


「ふむ」


「まあ、つまりさ……俺を召喚したのは、おばあちゃんだろ?だったら俺くらいは最後まで、おばあちゃんの味方でいるよ」


「…………そうか……」


「それに、仮に2万人殺しの罪が終身刑や死刑だとしても、もう老衰で一回死んでたと思うし、いいんじゃない?もう償った事になってるでしょ?」


「お主は……フフッ、いい加減じゃのぅ♪ほれ、終わったぞ」


「あ~、やっと終わった!」


タロウは、お湯をかけ、身体に付いた泡を洗い流す。


「じゃあこれで!」


タロウは、そそくさと浴室から出て行こうとする。


ワシは咄嗟(とっさ)に出て行こうとするタロウの左手首を右手で掴む。


「待て、まだ湯船に浸かっとらんじゃろ」


「いや、それは流石───にぃぃぃ!?」


ワシはタロウの減らず口に付き合わずに、自分に身体強化を掛けタロウを軽々と片手で湯船に向かって放り投げる。


タロウが腰に巻いていたタオルが外れて、宙を舞い────バッシャーン!と大きな音を立ててタロウが湯船に着水する。


「───ぶはっ!?お、お前!流石に───」


「えいっ」


タロウが息を吸おうと湯船から顔を出して来た所に、ぴょんとタロウ目掛け飛ぶ。


「流石にぃぃぃ!?」


タロウは咄嗟に立ち上がり、飛んで来たワシを両腕で受け止める。


「ほれ、肩まで浸からぬか」


「滅茶苦茶やりやがる、この女!!」


「───『ディザベル』」


「んん?」


「ワシの名じゃ。二人っきりの時はディザベルと呼べ」


ルル───いや、ディザベルの告白にタロウは思わず目を丸くすると、すぐにディザベルに笑いかける。


「それなら俺も名前で呼んでもらわないと対等じゃないよな~?」


「…………くふっ……くふふふふ!そうじゃのぅ♪」


「俺の名前は『榊原(サカキバラ)(キョウ)』ディザベルも今度から二人の時は、キョウって呼んでもらわないとなぁ~?」


「あいわかった」


ディザベルは突然キョウに抱きつき、顔を上げてキョウの顔を見る。


「うぇっ!?今度は何!?」


抱きつかれたキョウは今度は何が来るのかと警戒し身構える。


「……キョウ……あ…………」


ディザベルは何かを言いかけるが、みるみるうちに顔が真っ赤になり、恥ずかしそうに顔を伏せてキョウのお腹に顔をうずめる。


「……ぁ……ありがとう…………助けてくれて…………その……嬉しかった……ぞ…………」


「どういたしまして」


キョウはディザベルに微笑みかけた。

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