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俺を異世界に召喚した悪い魔女の婆さんをロリババアにしたら何処までも粘着して来るようになったんですけど!?  作者: アステロイドV2
第一章

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救世主?勇者?違う!お前はワシの実験体で奴隷じゃ!!

俺は佐藤太郎、16歳。アニメ、ゲームが好きな普通の高校一年生。


この度、俺は……なんと異世界に召喚されました。


そう()()()()()()()じゃない、第一死んだ覚えもないし。


制服に着替え終わった途端、突如床に浮かんだ魔法陣に吸い込まれるように全く別の場所に召喚されたという訳だ。


じゃあ一体誰が俺を召喚したのかというと神様、女神様、王女様…………じゃない。


「くふっ……くふふふふっ!成功、成功じゃあ!」


この薄暗い部屋に一人、まるで童話に出て来る悪い魔女のような風貌の白髪の婆さんが俺の目の前で馬鹿笑いしていた。


「あー……ひょっとして、おばあちゃんが俺をここに呼んだの?」


「そうじゃ!ワシがお主をここに召喚した!!」


「もしかして、この世界を救う救世主、勇者として召喚したんでしょ?そういうの分かっちゃうんだよね、俺」


こういうの露骨なまでの濃厚なテンプレ展開、能天気な俺でも分かっちゃうぜ。


「救世主?勇者?違う!お前はワシの実験体で奴隷じゃ!!」


「あー…………なるほどね」


この瞬間、俺には全てが理解()かった。


この婆さん、見た所、90代かそれ以上か、大分歳を召されている。


そして魔女というものは大抵はひねくれ者。…………つまりだ。


この婆さんは()()()()()んだ。


老い先短い人生、このまま1人で孤独と戦いながら過ごすのは辛い、誰か生活を共にする、一緒に日々を過ごす人間が欲しかったのだろう。


わざわざ異世界から引っ張って来なくても……とは思うが、やはりこういうのは理屈じゃないのだろう。


孤独は人を狂わせる。


俺は、この婆さんに憐れみを感じていた。


「折角これから一緒に過ごすんだからさ、この世界の事を色々教えてよ、おばあちゃん」


「う、うむ、いいだろう。…………しかし、やけに適応が早いのぅ……異世界人というのは皆、こういうものなのか?」


この日から俺とおばあちゃんの奇妙で唐突な異世界二人暮らしが始まっ…………てからあっという間に一年が経った。


「……しかし。この一年でよく此処まで成長したのぅ…………」


「おばあちゃんの教え方が良かったからだよ」


異世界の言葉は婆さんが召喚の際に会話が出来ないと不便だからと都合よく喋れるように設定してくれていたからコミュニケーションには困らなかったものの、それ以外は何も分からなかった。


異世界の文字や歴史、常識、そして魔法の事なんかを婆さんは根気強く教えてくれた。


お陰で俺は、たった一年で色々な魔法を使うことが出来るようになっていた。


「ワシが教えたのだから、これぐらい当然と言えば当然……じゃが、お主は何も知らぬ赤子と同じレベルから、本当によく此処まで……お主、ワシの次ぐらいに才能があるやもしれん…………」


婆さんは、べた褒めしてくれているが俺にそんな自覚は無い。


というか何か異世界の事ってゲームや漫画みたいでスルスル頭に入っていくんだよな、勉強と違って遊びなら覚えるのが早いみたいな感じで。


「出来る事ならお主の行く末をもう少し見届けたかったがのぅ…………」


そして才能と若さに溢れる俺と違い、婆さんは……もう駄目そうだった。


婆さんは寝たきりで俺と会話していた。


「おばあちゃん、この一年間、何から何まで色々とありがとう」


「…………ふん、人に感謝されるなど生まれて初めてじゃ……だが……まあ、お主になら…………」


婆さんは自分の死期を悟ってか、いつになく饒舌だった。


「おばあちゃん、俺の一年間の集大成を見てほしい」


「ふん、見るに堪えんもんを出したら承知せんぞ」


「大丈夫、事前に実験して成功してるから」


俺は全身に宿る魔力を活性化し、この一年間の集大成、オリジナルの魔法を発動させる。


「おばあちゃん、受け取ってくれーッ!!」


「んなッ!?」


俺の赤く煌めく魔法が婆さんを貫く!


「どうだッ!!」


俺は発動した魔法に確かな手応えを感じ、ガッツポーズした。


「どうだ!じゃないわッ!!寿命より先に殺す気か馬鹿者!?」


婆さんはベットから跳ね起き、俺の胸倉(むなぐら)を両手で掴む。


「ふふん、どうやら成功したみたいだぜ、おばあちゃん!」


俺は婆さんの姿を見て魔法の成功を確信した───!


「な、な、な!なんじゃあ、これはぁぁぁ!?」


「ふふん、()()()()()()っさ!」


そう、この一年間見慣れた婆さんの姿は、もう何処にも無い、代わりに俺の目の前に全裸の幼女が爆☆誕!!


ハリとツヤを取り戻したシワ、シミ一つ無い魅惑の白い肌。

(うるお)い溢れる長く桃色の髪。

そして───たわわに実った胸、ロリ巨乳だ、初めて見た。


「わ、若返りの魔法じゃとぉぉぉ!?」


婆さんは、自分の身体をあちこち触り、自分の身に起こった変化を確認する。


「やっぱり、一緒に過ごした仲、おばあちゃんには長生きして欲しいからさ」


「……色々と言いたいことはあるが!お主、この魔法どうやった!?ワシに教えろ!!」


「勿論いいですとも!この魔法の使い方は…………って、あ、あれー?わ、忘れた…………」


さっき使った若返りの魔法について不思議なくらい綺麗さっぱり何もかも忘れてしまった。


「わ、忘れたじゃと!?そんな馬鹿な話があるか!貸してみぃ!!」


元婆さんがこちらに近寄って来て、(ひたい)(ひたい)を合わせて来た。


「ふむふむ……なるほどのぅ…………」


暫くすると満足したのか、(ひたい)を離した。


「本当に綺麗さっぱり抜け落ちているのぅ……」


(こやつの記憶を探ってみたが…………あの魔法、若返りの魔法に関する知識が初期化されておる。他者の時間を逆行させるという、この世の理を覆す異端の力。それ故の代償として、納得は出来るが…………)


「あの魔法に関する記述は!?メモはないのか!?」


「……えーっと…………ううん?」


「くぅ!ワシとしたことが、こやつは記憶を無くしておるんじゃった!そもそも、こやつは昔から感覚派、メモを書くタイプでは無かったわ!」


(くっ……!これさえあればワシは実質的な不老不死になれる!…………だというのに、こやつ!!)


「じゃあそういう事だから……」


俺は事前に持ち物を纏めていたリュックを背負って家から出て行こうとする。


「…………待て待て待て!!何処に行く!?」


元婆さんが後ろから抱きついて止めようとしてきた。


「何処って冒険だよ」


「ぼ、冒険じゃと!?」


「そうだよ。折角、異世界に来たっていうのに、ずっと家に居たんじゃ勿体ないでしょ?」


「ならぬ、ならぬぞ!お主は此処で若返りの魔法を再習得するまでワシと一緒にいるんじゃ!」


「嫌だよ!?この一年間ずっと、おばあちゃんの家で面倒見てたんだから冒険に出たっていいでしょ!?」


「ぐ、ぐぬぬ…………」


「それに若返ったんだし、もう大抵の事は不自由なく出来るようになったはずだから、もう俺が世話をする必要も無いでしょ?」


「こ、こやつ!言うに事を欠いて……!!」


(まさか老人介護から何の気兼ねなく抜け出すために若返りの魔法を習得するとは思わなかったぞ!)


「じゃあ、またね」


(こやつを外に出せば、他の者に、あの力を奪われるかもしれん!はたまた、そこら辺で野垂れ死ぬかもしれん!)


(…………それはならん!それだけは絶対にあってはならん!あの力はワシのじゃ!ワシだけの物じゃ!!この才能、誰にも渡してなるものか!!)


「……ワシも行く!」


元婆さんは、俺にしがみついたまま凄む。


「えぇ…………」


「露骨に嫌そうな顔をするでない!」


「ま~た俺がおばあちゃんの面倒見るのぉ!?」


「貴様ッ!さっきから言おうと思っておったが、この1年間お主に色々教えてやったのはワシじゃぞ!?」


…………とまあ、紆余曲折(うよきょくせつ)はあったが、こうして俺の冒険は一年遅れで始まったのであった。




「ワシも付いて行くからのぉぉぉ!!」

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