#5(完)
「最近心を入れ替えて頑張ってるみたいだから、今日はたくさんあげちゃおうかな)
「あっ、ありがとうございます」
「だけど、人を無闇に見下す悪癖は今後慎むべきね。このままだと次はないわよ」
「はい、肝に銘じます」
チクリとした忠告とともに、確変モードに突入したメダルゲームのコインよろしく、ごっそりと女神様からいただいたインスピレーションの原石たち。その一部は、今、産みの苦しみに組み伏せられながらも、なんとかアウトプットすることに成功した(ように思う)。
だが、これはまだまだ氷山の一角に過ぎないことを付け加えておく。全貌を君に見せてあげたいのはやまやまだが、できればまたの機会にさせてほしい。
というのも、その他の原石の一個一個が公に向けて披露するに足るものなのか、それともただのつまらぬ石ころに過ぎないのか、どれにもほとんど磨きをかけていない現段階では、判断のつけようがないからだ。
それよりも今はとっとと帰宅して、泥のような睡眠の続きを貪りたいのが偽らざる本音。
だからもう、今日はこのへんでお開きにさせておくれ。それじゃ、どうもありがとう。さようなら。zzz……。
ー後日ー
先日は、最後の最後で眠気に負けて随分と横着してしまった。
僕の戯言に最後まで付き合ってくれた得難い君だというのに、あんな突き放し方をしてしまって申し訳なく思っている。
それでは本当の最後に、今日は書いても書いても一向に興が乗らず、スランプにのたうち回るだけの滑稽な僕が、女神様不在のなか、自力でひねり出したヤケクソにもほどがある駄文をここに書き記しておきたいと思う。(羞恥心は一旦棚上げしておくこととする)
先日の夜、温泉施設から帰宅する道すがら、ダメ元でセンス抜群な締めの一文をおねだりしたがめつい僕に、案の定、彼女はピクリとも微笑みかけてくれなかったものでね。
ゴホン、ゴホン、それではご清聴ください。
一生に一度、あるいはせいぜい二度までしかお目にかかれないという、世のコモンセンスというコモンセンスを根こそぎひっくり返してしまうような超絶ヤバいインスピレーションの到来を待ち詫び続ける君と僕とに、マックス最上級の幸あれ!
おやすみなさい。良い目覚めを。
ー完ー




