10.「死に戻りの悪役令嬢」
『死に戻りの悪役令嬢は拗らせ王子の護衛執事に溺愛される 〜ループの果てに〜』が実際のタイトルです。
歪んでハッピーな話を書きたかったので考えました。こちらは逆にコメディ感がそんなにないので、一つにまとめます。歪みっぷりをご堪能ください。ループモノです!
【1】
「いらないって言ってるでしょう、来世なんて。永遠の無でいい。最後にお嬢様の気分を味わえた。もう終わりでいいわ」
▷「1.ヒロインと悪役令嬢の転生」より
主人公ナタリーのひととなりです☆
【2】
「事情があろうとなかろうと、天才だろうと凡才だろうと。こいつはあなたがどうしようと死にますし、あなたが護衛に加わろうとそうでなかろうとご主人様は私が守るので無傷です」
「それ以外はどうでもいいって?」
「その通りです。あなたが引き返そうとそうでなかろうと、何も思いません。ミセル様もです。あなたはまだ引き返せる」
▷「5.試される覚悟」より
引き返してほしがっていますね。
【3】
「ここは、あなたが来ていい場所ではありません。汚れて堕ちて……もう戻れなくなってしまう」
▷「5.試される覚悟」より
綺麗でいてほしかったんですね。
【4】
「私は自ら望んで堕ちるのよ」
▷「5.試される覚悟」より
好きですね~!
【5】
「あなたは死にません。私が死なせませんよ」
▷「7.本当の理由」より
好きになりますね、私が!
【6】
「私はミセル様と結婚するよりあなたと――」
「え?」
「一緒に地獄にいたい。血の匂いがするこの道を歩き続けたい」
▷「7.本当の理由」より
ダークなのに爽やかってよくないですか?
【7】
「馬鹿な人だ。望んでここに留まる理由がどこにありますか。あなたにはもっと綺麗な場所が似合っていますよ」
▷「7.本当の理由」より
押せ押せ王子様も身を引く護衛も大好きです。
【8】
「婚約者なんかと一緒にしてもらっては困るな。僕のために血を流すわけでも、日常的に命を危険にさらすわけでもない。どうやってそんな相手を信じられる?」
▷「8.ミセル様と」より
歪んでいる王子様も好きです。幸せになってほしい。
【9】
「一応聞くけど、私を女としては見ないわよね。あんなに鍛錬で痛めつけるくらいだものね」
「あなたは侯爵令嬢の麗しのナタリー様ですよ。恐れ多くて何もできません。する気もおきません」
▷「9.同じ部屋で1」より
恋人になる前の会話もいいですよね。
【10】
「任務だと思えば簡単でしょう。これも仕事です、仕事。早く入ってくださいよ。私は早く寝たい」
「……布団に入りながら静かに標的を待つ任務?」
「そうですね。あなた、寝ている時に不信な気配に飛び起きるための訓練とかしてないですよね」
▷「9.同じ部屋で1」より
これも一つの訓練です、と。
【11】
「私にとってミセル様はお守りする方です。婚約者なんかに私はなりたくない。あなたのために血を流さない存在になんて、なりたくありません」
▷「12.選択」より
ループしてまた戻ってきましたね。微妙に前と違いますが。
【12】
「嫁入り前のお嬢様が、男と同じ部屋で寝てはいけません」
「そ、そんな……!」
▷「12.選択」より
ループしてきたので、前の記憶を相手はもっていないんですよね。
【13】
「ミセル様のためなら何度でも死ねます。私ならやり直しがきく。いくらでも盾にしてください。どれだけでも死にます。何百回死んでも、私はあなたの盾になります」
▷「13.同じ部屋で2」より
護衛になってますね。
【14】
「学園に今からでも通ったっていいのに、ナタリーは強情だなぁ。護衛を引退してただの侯爵令嬢に戻って僕とまた婚約したっていいんだよ?」
「ご冗談を」
▷「14.恋と忠誠」より
恋と忠誠は別物ですね!
【15】
「あ! でもあなた私にキスしたわよね」
「は!?」
「あ、今のあなたじゃなかったわね」
「どういうことですか。前の私があなたに手を出したんですか」
▷「15.詰問」より
ループしてるとよく混乱しますよね。
【16】
「あなただけ私にキスされた記憶を持っているなんて、おかしいでしょう」
「お、おかしいの……?」
「そりゃそうですよ。私はした覚えがないのに。おかしすぎる。そんなことが許されていいはずがない。おかしいことは正さなくては」
「えっと、おかしいから、キスをした……?」
「その通りです」
▷「15.詰問」より
この手の会話の繰り返しが好きです。
【17】
「ま、待って待って待って。今、なんか二回目しなかった!?」
「だから聞かないと分からないんですか」
「いや、したわよね。絶対したわよね。なんでよ!」
「一回も二回も三回も似たようなものでしょう」
「……一回も二回も三回も同じ……」
「はい」
「……だからした……」
「その通りです」
▷「15.詰問」より
まだ続くのかって?続くんです。
【18】
「……ねぇ、ナタリー。私にキスされるくらい、どうってことないでしょう。今まで忘れていたくらいですから」
▷「15.詰問」より
どれだけ繰り返すのってね☆
【19】
「私……あなたと将来を誓い合った覚えはないんだけど」
「私にもそんな覚えはありませんよ。前にも言いましたが、ご自分の未来を大事に思うならミセル様とご結婚された方がいい」
「それなのに、こんな高価なのくれるの……」
「お金の使い道がなくて困っていたのでよかったです」
▷「17.もう一度学園」より
この二人の独特の空気を感じてもらえたら。
【20】
「私はあなたが好き」
「馬鹿な人だ」
▷「17.もう一度学園」より
こーゆー返しがね、好きなんですよ。
【21】
「ナタリー主任、今度俺とも酒を一緒にって、いてててて!」
「酔ってないでしょう、あなた。酔ったふりをしてナタリーに触らないでください」
▷「21.酒場」より
嫉妬イベントですね!
【22】
「もっと話したいって男連中みんな思ってますよ。たまには話しかけていいですか?」
「駄目です。彼女は侯爵令嬢ですよ。おいそれと近づかないでください」
「同業者じゃないですか〜」
「駄目です」
▷「21.酒場」より
嫉妬イベント続きです!
【23】
「……でも、今は私の恋人ですよ」
「は?」
「私の恋人です。彼女は立派な護衛ですが私の恋人です。もう行きますよ、ナタリー」
▷「21.酒場」より
嫉妬イベントラスト!怒ってます。
【24】
「もう一度やり直したなら、あなたにもっと愛してもらえるのかな……」
「……っ」
「もっと可愛い女の子になりたかった。あなたに可愛いって思ってもらえるような……」
▷「22.隠れ家」より
ナタリー、可愛い!
【25】
「騙しましたね」
「騙される方が悪いのよ」
「どうするんですか、もう戻れませんよ……」
「さぁ。一度私を殺せば戻れるんじゃない? 数年前に」
「そうしたら、あなたは私ではない私と恋人になるんでしょう」
▷「23.騙し?」より
お酒入ってましたからね!
【26】
「私には無理ですよ……貴族のご令嬢を楽しませるデートなんかできません。深く付き合えば、呆れるだけですよ。身分が違うんです。思いつきません」
▷「23.騙し?」より
私が執事を書くと絶対こっち系になるなぁ。
【27】
「あなたには幸せになってほしかったんですよ。私と一緒にいてもつまらないだけです。人を殺すより楽しませる方がずっと難しい」
「決めつけないで。私の幸せは私が決めるわよ」
「ふっ。かっこいいですね」
▷「23.騙し?」より
殺伐とした台詞も好きなんですよね。
【28】
「覚悟してください。もう手を出してしまった。一回も二回も三回も同じです」
「キスだけは、ものすごい回数するわよね」
「そこまでにしておいてあげたのに。本当に馬鹿な人だ」
「そんな馬鹿な人が好きなんでしょう」
「ええ。大馬鹿者ですから」
▷「23.騙し?」より
ラブラブですね!
【29】
「どうだかな。ミセルと結婚する気はないのか」
「ありません。主従以外の関係は不要です。私はミセル様のために生きて死ぬ、それだけです」
▷「26.陛下と」より
こっちは主従ですからね。
【30】
「そうですね……ナタリーが嫌でなければですが、前の世界でのあなたのことが知りたいです」
「前の世界? 前話したような……あ!」
「ナタリー……、もしかして前の私に話したんですか?」
▷「28.夜」より
ループしてますからね!
【31】
「話してください。前の私に話したよりも詳細に。取るに足らないことも全て。全部です」
▷「28.夜」より
嫉妬イベントです☆
【32】
「単純な男なんですよ、私は。だから猛烈に嫉妬している。あなたと恋を育んだ前の私に。何をどうやってあなたをそこまで取り込んだんですか。最初から出会いたかった、今のあなたに。全部見たかったです」
▷「28.夜」より
前の自分への嫉妬はもうどうしようもないですね。
【33】
「一緒に死にたいけど、今じゃないわ」
「私もです。まだあなたの側にいたい」
▷「30.最期まで」より
老いは避けられませんね。
私の好きな拗らせ系の台詞がいっぱいの作品なので、読んでもらえたら嬉しいです。
また長編を書く日は来ると思いますが(下書きをしているところなので)、ここに追加はたぶんしないと思います。楽しかったけど、思ったより大変でしたー!
今回は、書籍化作品『婚約解消を提案したら王太子様に溺愛されました 〜お手をどうぞ、僕の君〜』のコミックス4巻発売(8/21電子版・8/25紙版)に伴い、自作小説を振り返りたくて書きました。
5巻発売までには、今下書きをしている長編を投稿できるかなと思います。たぶん!
お待ちいただけたら幸いです。
それまで皆様、また会う日までお元気で!