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話を聞いてほしい僕。話を遮る私。
女神は僕を心配しているようだ。度重なる、魔王側のホワイト案件で僕が揺らいでいないか確認してきた。
「正直、羨ましいって思ってるんでしょ?」
女神は必至だった。
「まあ、羨ましくないと言えばウソになります、でも……」
女神が僕の話を遮る。
「やっぱりそうよね、私にできることあったら言って」
女神は真剣だ。
「ありがとうございます。ただ……」
女神は僕の話の腰を折る。
「私はあなたの事を大事に思っているの。本当だから」
女神は力強く話す。
「信じていますよ。だいじょ……」
女神は最後まで聞かない。
「お願いだから、私のもとに帰って来て」
最後まで話を聞けや!!!!!!!!!!
~女神目線~
私に余裕はない……彼はもう……魔王側に気持ちが……行きかけているはず……
必死に説得する。どう言えば彼がここに戻ってきてくれるかしら……
もう彼を失いたくない……私だけの彼……私だけを見つめていて欲しい……
何をしてでも……どうしたらいいの……ああ……彼をつなぎ留めたい……
……あれ? 私、もしかしてまた彼の話、途中で遮っちゃった?