新たな強敵に戦慄する僕。その様子に捧腹絶倒する私。
~勇者視線~
「討伐ポイント3倍期間が始まるわよ」
そう話す、女神の顔が怖かった……まあ僕の魂の回復のためなんだろうけど……
「頑張ります!」
僕も気合を入れなおした。
だが、女神の表情が曇ってきたように感じた。
「普段と違うから、気をつけなさいよ」
女神がここまで言うってことは……相当強敵なんだろうな……
「女神様、僕は無事に帰ってきます。どうか安心して待っていてください」
油断なんかしない。何度も危ない目にあって、女神に助けてもらってきた……
「必ずよ……無事に私のもとへ帰ってきなさいよ……」
女神の言葉に僕は頷き、討伐へ出発した。
今回の魔王はどんな強敵だろう、と考えてたとき声が聞こえた。
「あら、まあ、かわいい勇者ちゃんねえ」
セリフと違い太いダミ声が聞こえ……
そこにはケバイ化粧をした魔王が待っていた。
ポイント3倍ってこっち系の敵相手にするからなのか!!!!!!
~女神目線~
魔王討伐のポイント増加期間が始まった。
今回の相手は私たち女神と因縁のある、あいつら……
何だか彼も気合が入っている。頼もしいじゃない……
私も彼に気をつける様に促した。普通じゃないんだからね……
「必ずよ……無事に私のもとへ帰ってきなさいよ……」
私は彼の無事を祈り、彼も頷きながら出発した。
心配……大丈夫かな……
私は心配なあまり、彼の様子をのぞき見した。
うわ……キモ……ケバすぎる化粧……なにあの声……彼ひきつってる……ちょっとおかしいかも……
だめ……つ、ツボに入ったかも……あはははははは……笑ってる場合じゃないのに……