罰ゲームを受けるぼく。気づいてよと叫びたい私。
~勇者視線~
僕は今日も魔王討伐を消化している。もう作業に近い感じだ…終わったら、女神のもとに帰る。その繰り返し。そんなある日、僕が帰ると、女神はクルクル回りながらダンスをして、迎えてきた。
「どう?」
何が?
「順調です」
女神は不満そうな顔をする。
「違うわよ!どうかな?」
違う?何が?どうかな?主語をお願いします…
「素敵なダンスです…」
女神は回るのを止めた。
「だから、似合う?」
似合う?何が?主語!曖昧なこと言うから…
「もちろんです!」
女神は僕を睨むようにジッと見る。
「適当でしょ?」
ハイ!もちろん!適当ですが、何か?
「まさか、ただヒントをください」
女神はスカートをヒラヒラさせた。
「分かった?」
「ハイ!服が新しくなってます」
女神が残念そうな顔をした。
「違うわよ!髪型がいつもと違うの」
ヒント?スカート?髪型ならもっとあるだろ…
これって罰ゲームかよ……
~女神目線~
私は気分転換に髪をお団子にしてみた。
彼はどう思うかな……かわいいって言ってくれるかな……どんな反応するか想像してみた。
彼が戻ってきて、私は回りながら髪をアピールした。
でも……興味なさそうだし……適当だし……気づいてもなさそう……
ヒントくれって……ゲームじゃないわよ……
私は意地悪を……髪ではなくスカートをアピールした。
まんまと引っかかる……
はあ……興味ないんだな……そんなとこも好きなんだけどね。