先が気になる僕。結末を気にする私。
~勇者視線~
いつもの魔王討伐が終わって女神のもとへ帰ってきた。
「おかえり、調子はどう?」
いつものように女神が僕を迎えてくれた。
「順調です!ところで女神様に聞きたいことが……」
僕はたまに見る悪夢を思い出す。生前の記憶のような、嫌な夢だ。女神に確認したところ、やはりそうだった。
「私があなたをここに呼んだのよ」
どうやら彼女は、僕が事故死する前から気にしてくれて、魂になった時、すぐに転生してくれたそうだ。
「例のカード1000枚集まったらどうなるのですか?」
「内緒よ、楽しみがなくなるでしょ」
少し寂しそうな顔をする女神。
僕は今も社畜のような勇者だ。
でも、ここに帰って来れる。それも悪くない……
~女神目線~
彼は私に時々見る悪夢の事を尋ねてきた。私はすべてを彼に話した。
「私は、あなたが死ぬ前から見守っていたわ。でもあの事故は防げなかったの。いえ、私が手を出したら、あなたは彷徨うことになったでしょうね。魂になった時、すぐに転生したの。私があなたをここに呼んだのよ」
彼はカードがすべて集まった後の事を気にした。
その時、あなたはどっちを選ぶのかしら……
今は……あなたと一緒にいられる……その幸せを感じていたい……