返り血を浴びた僕。勘違いした私。
~勇者視線~
僕は魔王との戦いに勝った。だが、魔王の呪いで僕は首筋に痣ができてしまった。そして女神のもとに戻ったのであった。
「女神様ただいま戻りました」
いつも通り昼寝をしている女神
「おかえり、どうだった……何よそれ……」
みるみる不機嫌になっていく女神。
「面目ありません魔王の呪いに……グワーッ!」
僕の報告を遮るように女神が本を投げつけてきた。
「何よ!どこでそんなものつけてきたのよ……最低…」
女神は涙声で少し興奮美味になっている。
もしかしなくても、首の痣を勘違いしていますよね…
「女神様、首の痣は魔王の呪いです……」
「そんなことは分かってるわよ…」
なら何を怒っているんだ……
「あんたの顔、鏡で見てみなさいよ」
鏡をのぞくと、ほっぺたに返り血がついていた。
まるで女性の唇のような形をした……
~女神目線~
彼が帰ってきた。私は朦朧としている。彼の声が聞こえた。
「女神様ただいま戻りました」
「おかえり、どうだった……何よそれ……」
言いかけた私……ちょっと怒ってます……
ほっぺに口紅つけて嬉しそうな彼。
「面目ありません魔王の呪いに……グワーッ!」
言い訳する彼に本を投げつけた。
「何よ!どこでそんなものつけてきたのよ……最低…」
信じていたのに……涙が出そう……
「女神様、首の痣は魔王の呪いです……」
そんなの分かってるわよ……私が怒っているのはほっぺの方よ……
「そんなことは分かってるわよ…」
彼に限って……嘘だと言って欲しい……
「あんたの顔、鏡で見てみなさいよ」
悔しいけど……やっぱり……あなたが好き……