出張の許可をもらいたい僕。お泊りしたい私。
~勇者視線~
僕は魔王討伐を行っている。なんか久しぶりな気がする、気のせいだよな…
僕が討伐する範囲が広くなったせいか、移動時間が長くなっているような気がする。
普通なら日帰りでなく、一泊するだろうってときも多い。そのことを女神に直訴した。
「女神様、もう日帰り討伐は限界です。宿泊の許可をお願いします。」
僕は期待せずにいた。絶対、「帰って来ないの?」とか言われるだろうな…
「お泊りしたいの?良いけど」
女神の返事は僕の期待を良い意味で裏切った。
「え?良いのですか?僕は安いとこで充分ですよ!」
女神は僕を見ながら首を横に振る。
「安いとこなんてありえない。次の世界だったらこことかは?」
女神がパンフレットを僕に見せてきた。
「こんな高級なとこ予算合わないでしょう」
「え~。せっかく2人でお泊りするんだから、ここにしようよ?」
はい?二人で?お泊り?この人旅行気分かよ?何言ってるんだ…………
~女神目線~
考え事をしていた時に、彼がお願いをして来たようなんだけど……よく聞いて無かった。
多分お泊りしたいって言ったように聞こえた………
「お泊りしたいの?良いけど」
「え?良いのですか?僕は安いとこで充分ですよ!」
あれ……喜んでる?でも……私は安いとこはヤダな……
「安いとこなんてありえない。次の世界だったらこことかは?」
私はパンフレットを出して提案した。
「こんな高級なとこ予算合わないでしょう」
いいよ……初めてのお泊り……奮発するってば……
「え~。せっかく2人でお泊りするんだから、ここにしようよ?」
彼の顔が不満そうなのって……なんで?気のせいだよね……