拉致られた僕。奪還する私。
~勇者視線~
僕は目を覚ました。見慣れない部屋だった。目の前に女性がいる。女神のように見えるが雰囲気が違う。
「お目覚めね、勇者君」
勇者君?女神は僕をあんたと呼ぶ、別人まさか・・・
「本部長様でしょうか?」
女性は冷笑している。怖い・怖い・怖すぎる・・
「その通りよ、私は妹のように甘くないわ・・」
女神も十分、辛口です・・
「何用でございましょうか?」
女性はため息をつきながら口を開く。
「私相手とは言え簡単に拉致される時点で失格ね」
拉致?失格?処刑確定?女神様助けて・・
「オートモードって解るわね?」
わかりません・・・
「僕を殺すのですか?」
命だけは・・
「殺しはしないわ、操るだけ」
それも嫌です・・
その時だった
「お姉ちゃん、やめて」
女神が叫びながら僕に何かを投げてきた。スプレー缶だ・・・
「それを使いなさい」
女神は僕に命令した。僕はスプレー缶をキャッチし女性に向けて噴射した。
「きゃあああああ」
女性は倒れ気絶した。こんなことして大丈夫なの・・・
「大丈夫?ケガしてない?」
女神は僕を見つめながら確認してきた。
「僕の体よりこんなことして大丈夫ですか?」
女神はニヤッと笑いながら
「記憶を消すスプレー缶だから大丈夫ほら」
スプレー缶を指さす女神。だがそこにはホレ薬と記載されていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
別な意味で大丈夫じゃないよね・・・・・
~女神目線~
彼と連絡がつかない。GPSで場所を確認した。ここって……本部長が拉致したのね……
私はすぐに行動した。あのアイテムを持って行かなきゃ……
本部長のアジトに到着した私は、中の状況を確認した。本部長(姉)の前に彼が座らされていた。
すぐ助けるからね…
姉が彼に記憶操作しようとした瞬間、私は叫んだ。
「お姉ちゃん、やめて」
彼にめがけて、記憶操作のスプレー缶を投げた。
「それを使いなさい」
彼はキャッチし姉目掛けて噴射した。
「きゃあああああ」
姉は倒れ気絶した。心配そうにする彼。
私は彼を見つめながら確認した。
「大丈夫?ケガしてない?」
「僕の体よりこんなことして大丈夫ですか?」
私は笑いが止まらなかった。
「記憶を消すスプレー缶だから大丈夫ほら」
缶をよく見た……そこにはホレ薬と記載されていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
やっちゃった……どうしよう……