警戒しながらも彼女がちょっとかわいいと思った僕。彼を守る決意をしたけど、やっぱり恥ずかしい私
~勇者視線~
僕は転生してから、どれくらいの魔王を倒したのだろう。心安らぐ日々はいつ訪れるのだろうか。そんなある日の事。
「いい知らせよ!」
女神は微笑みながら僕に話しかけてくる。
「誰にとって、いい知らせなのでしょうか?」
僕は警戒しながら、女神に伺った。
「なによ。警戒してるわけ、ひどくない!いい知らせって言ってるでしょ!」
逆切れですか・・・今までの事を振り返って、なんて言えませんよ。
「警戒なんてしていません。内容を聞いても宜しいでしょうか?」
僕は手を広げながらアピールした。
「これ使いなさいよ」
僕と視線を合わさず、女神は光り輝く立派な剣を手渡してきた。
「すごい」僕は一目でこの剣が業物だと分かった。
「頑張ってるしボーナスよ、これからも働いてもらうんだから」
照れながら話す女神がちょっとだけ、かわいいと僕は思った。
~女神目線~
私は彼を守ると決意した。無事に私のもとに帰って来れるように。私のエナジーを彼に送り続けることにした。
私は微笑みながら彼に話しかけた。
「いい知らせよ!」
彼は警戒しながら、私に伺ってきた
「誰にとって、いい知らせなのでしょうか?」
なんでよ・・もう、あなたの事を思っているの、警戒しないでお願いだから・・
「なによ。警戒してるわけ、ひどくない!いい知らせって言ってるでしょ!」
彼は手を広げながらアピールしようとしている。
「警戒なんてしていません。内容を聞いても宜しいでしょうか?」
何て言えばいいのかしら・・私のエナジー入りの剣よ・・だめドン引きされる・・
「これ使いなさいよ」
と言いながら私は視線を合わせられない。ただ、彼に剣を手渡すことしかできなかった。
「すごい」彼は剣を凝視して感心していた。
その剣を使って、私のエナジーをあなたに送り続けるから・・
「頑張ってるしボーナスよ、これからも働いてもらうんだから」
強がってみたけど、彼が私を見つめている、恥ずかしくて死にそうだった。