直訴して気を失った僕。分かってもらえない私。
~勇者視線~
僕は魔王を休みもなく倒している。女神はよく昼寝をしている。このままではいけないと思い直訴した。
「僕は休まず働いていますよね?」
女神に詰め寄る僕。女神は僕と視線を合わせない。
「まあね。お利口さんだと思うわよ」
僕は机を叩きさらに続けた。
「女神様はお昼寝をされていますが、どういう事でしょうか?」
その言葉に女神は逆切れする。
「あんたに何が分かるって言うの、私だってシンドイ思いしてるのよ」
僕は圧倒されてしまった。
「ひい・・すみませんでした・・」
あれ、何か変だ・・
僕は昔の事。転生前の自分を思い出した。オフィスの一室、罵声を浴びせる上司、終わらない仕事、心が折れていく・・
僕はそのまま気を失った。
~女神目線~
「僕は休まず働いていますよね?」
彼がすごい剣幕で私に詰め寄ってきた。
「まあね。お利口さんだと思うわよ」
あなたは頑張っている……でもね、それには理由があるし……私も一緒に頑張っているんだよ……
彼は机を叩きさらに続けた。
「女神様はお昼寝をされていますが、どういう事でしょうか?」
その言葉に私はつい感情的になった。
「あんたに何が分かるって言うの、私だってシンドイ思いしてるのよ」
あなたにこんなにもエナジーを送ってるんだよ……それって結構つらいんだ……
でもね、あなたが無事に帰って来てくれる……それだけで私は幸せだよ……
「ひい・・すみませんでした・・」
彼は急に怯えはじめた。様子がおかしい……
また、昔の記憶の世界へ行ったんだね……
彼はそのまま気を失った。