騙されて絶望する僕。悪戯して反省する私。
~勇者視線~
僕は女神の問題に答えがない。つまり最後のオーブがこの世界にないという事に気づいた。
「女神様、つまり帰還に必要な最後のオーブがここにはないという事ですね」
僕は絶望した。もう女神のもとに帰ることができないという事だ。
「そういうことだね」
女神の声は真面目だった。いつもの軽さがない・・・
「僕は女神様のもとに帰りたいです。何か方法はありませんか?」
お願いだからいつもの冗談だって言ってくれよ・・・
「あんたは、もう十分働いてくれたよ。自由になりなさい・・」
なんだよそれ、嫌だ。納得できない・・・
「お願いです。冗談だと言ってください・・」
僕は絶叫し絶望した。
「・・・荷物をよく観てごらん・・・」
女神が小さな声で呟く。なに・・荷物・・・
僕は袋の中身を全部出した。見慣れない色のオーブがある。集めたの4つだったはず、5つある?・・・
「ドッキリ大成功!最後のオーブは最初から袋に入っていました!えへへ!」
僕はびっくりも怒りもしなかった。ただただ嬉しかった。そして頬に涙が流れていた。
「ねえねえビックリした?」
「・・・・」
「おーい!ごめんって、やりすぎた」
「・・・・」
「ねえってば。悪かったから、早く帰っておいでよ」
僕は天を仰ぎながら、女神のもとへ帰れることが、幸せと思った。
~女神目線~
彼は最後の答えが解なし、つまりオーブがないという答えに気づいたようだった。
さすがね…どんなリアクションするんだろう……うふふ……
「女神様、つまり帰還に必要な最後のオーブがここにはないという事ですね」
彼は深刻な声で聞いて来た。いいリアクションいただきました……
「そういうことだね」
ここは……真面目に言わないとね……笑いそう……
「僕は女神様のもとに帰りたいです。何か方法はありませんか?」
あらあら……以外……でもすごく嬉しい……後で謝るから……もう少しいいよね……
「あんたは、もう十分働いてくれたよ。自由になりなさい・・」
うそうそ……私のそばにいてくれなきゃヤダ……私ってわがままだな……
「お願いです。冗談だと言ってください・・」
その声はとても大きく、絶望しているように聞こえた。
そろそろヤバいな……
「・・・荷物をよく観てごらん・・・」
私は小さな声でカミングアウトした。
彼はもう気づいたかな?袋に最後のオーブを入れてたんだよ……
「ドッキリ大成功!最後のオーブは最初から袋に入っていました!えへへ!」
お約束だよね……
「ねえねえビックリした?」
ヤバ……怒ってるな……
「・・・・」
「おーい!ごめんって、やりすぎた」
返事しない……相当怒ってるな……
「・・・・」
ゴメンなさい……やり過ぎました……反省してます……
「ねえってば。悪かったから、早く帰っておいでよ」
どうしよう……もう帰って来てくれなくなったら……私のバカバカバカ……