彼女を見直す僕。彼を心配するも、その笑顔に癒される私。
~勇者視線~
僕は交通事故死して転生した。女神に仕え魔王討伐を行っている。順調だがたまにミスもする。そのせいで女神が始末書を書いていた。
「女神様、本当に申し訳ありません。僕のせいで迷惑をおかけします。」
頭を下げる僕に女神は首を振る。
「別に迷惑じゃないわよ。あんたの管理責任は私にあるの」
僕がケガをしたばっかりに・・・
「あんたには死んでほしくないから・・」
何だろう意味深だ、聞かない方がいいな・・・
「僕は簡単には死なないですよ」
僕は気づいた、女神の目に涙が溢れている。
「あたしのもとに絶対に帰ってきなさいよ」
初めて聞いたときは命令のような、呪いに聞こえたが。
今のは違った、僕はこの人に仕えてよかったと思った。
~女神目線~
彼がまた、ミスをした。大したことじゃない、でも私の心はまた痛む。
どうしても……彼を守らなきゃ…何度でも……何度でも……
「女神様、本当に申し訳ありません。僕のせいで迷惑をおかけします。」
彼は謝る。その言葉に、私は冷静に答えた。
「別に迷惑じゃないわよ。あんたの管理責任は私にあるの。」
そう言いながらも、胸の中は少しだけ苦しい。
彼がまた傷ついたらどうしよう……心配が募る……
私がもっとちゃんと見守れていたら、こんなことにはならなかったのに。
「あんたには死んでほしくないから…」
感情がふと溢れ出てしまった。こんなこと、言葉にしない方がよかったかもしれない。でも、どうしても、彼に伝えたかった。
死なせたくない……どんなに世界がどうなっても……彼だけは守りたかった……
「僕は簡単には死なないですよ。」
彼が笑ってくれる。その笑顔を見て、ホッとしたけれど、それでも心の中ではまだ涙がこぼれそうになる。
「あたしのもとに絶対に帰ってきなさいよ。」
口調は命令みたいになってしまったけれど、心の底からそう願っていた。
彼に帰ってきてほしいと、心から思っている。
彼が私を見て、微笑んでくれた。その笑顔が私を救った……