諦めた僕。想い続ける私。
~勇者視線~
僕は転生してからずっと、魔王を退治している。休みもない、報酬といえば一度だけ女神から業物の剣を貰った。いまもその剣を使っている。そんなある日の事。
魔王を退治した僕は剣を鞘に納めようとした。
ピーピーピー。突然異常音が鳴り始めた。
なんだ?何の音だ?
調べると、音の原因は剣からしていた。とりあえず女神に連絡してみた。
「女神様、変な音が剣からするのですが、ご存じないでしょうか?」
絶対この人が犯人でしょ……
「はいはい剣から音がしてるんだね。多分電池が切れたと思うから、帰ったら電池交換しようか」
剣に電池って……光ったり……攻撃アクションの音とかの機能があるのですか……
「あの……付かぬことをお伺いしますが、電池は何が目的で使用していますか?」
僕は少々の答えでは驚きませんよ!さあ、どうぞ……
「あれ言ってなかったっけ。GPSだよ」
はい!来ました!GPSね!僕につけてるのは知ってたけど……
~女神目線~
魔王を退治した彼から連絡が来た。
「女神様、変な音が剣からするのですが、ご存じないでしょうか?」
警報音の事か……もうそんな時期なのね……彼も頑張ってくれているんだな……
「はいはい剣から音がしてるんだね。多分電池が切れたと思うから、帰ったら電池交換しようか」
電池って……本当は違うけど……精一杯の照れ隠しのウソなんだよ……
「あの・・付かぬことをお伺いしますが、電池は何が目的で使用していますか?」
不審に思うよね……私はあなたを護りたいだけなんだ……
「あれ言ってなかったっけ。GPSだよ」
きっと呆れているよね……だってそうでも言わないと……あなたを護るエナジをずっと送っていますなんて、重たく感じるよね……