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無理をする僕。無理をさせる私。

~勇者視線~

僕は体調を崩し風邪をひいてしまった。

予定の魔王退治に出発できそうにない状況だった。


「女神様ご迷惑をおかけします」

僕の謝罪に女神は静かに答えた。


「まあ、今までこき使って疲れがたまっていたし。仕方ないわよ」

意外な答えに僕はびっくりした。


「無理はしないでね」

女神の一言に僕は感激した。


「ありがとうございます。1日も早く風邪を治して魔王を退治します」

僕の言葉に静かに首を振る女神。


「ダメよ」

こんなにやさしい女神さまって本物だろうか・・・


「風邪ひいてても魔王討伐は絶対でしょ、ただし無理して死んでもダメよ」

もう僕は、風邪にも魔王にも勝たないといけないんですね…


~女神目線~

彼が、風邪をひいたらしい。

体調を崩すなんて。珍しい。


「女神様、ご迷惑をおかけします」

申し訳なさそうにそう言った彼に、私は静かに返す。


「まあ、今までこき使ってたしね。疲れもたまってたんでしょ。仕方ないわよ」


本当は心配で仕方ない。

だけど、それを言葉にすると、私の立場が崩れちゃう。


「無理はしないでね」

その一言に、彼が少し驚いた顔をしたのを見て、胸がきゅっとした。


「ありがとうございます。1日も早く風邪を治して魔王を討伐します」

そんなにがんばらなくていいのに


「ダメよ」


私は思わず、彼の言葉をさえぎってしまった。

驚いたように見つめ返す彼の目が、まっすぐで、眩しくて。


「風邪ひいてても魔王討伐は絶対でしょ、ただし無理して死んでもダメよ」


あなたがいないと、私…困る…

なんて言えないけど…

治すのも、戦うのも、ちゃんと順番にして…

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