スイーツ売り切れで土下座する僕。スイーツよりも甘い思いをする私。
~勇者視線~
僕はまた魔王を討伐しに出発しようとしていた。
「あのさ、今回の世界に美味しいスイーツあるの。お願いね」
笑顔で僕を見つめる女神。魔王討伐が目的ですよね・・・
「買って来たらよろしいのでしょうか?」
仰々しく立ち回る僕。僕はホストじゃない・・・
「あら嬉しいわ」
満足そうな女神。何を喜んでるんだ・・・
「行ってまいります」
芝居じみてみる僕。何やってるんだろう・・・
「気をつけてね」
いつもよりうれしそうに手を振る女神。何考えてるんだこの人は・・・
転送は無事に完了し魔王も討伐終了した。しかし、スイーツは売り切れていた。ヤバいよヤバいよ・・・
「申し訳ありませんでした」
土下座をする僕。何でここまでしないといけないんだろう・・・
「えええ!!!売り切れですって!!!」
予想通りがっかりする女神。罵声を浴びされると思ったが意外な一言。
「まあ、あんたが無事に帰ってきたから、それでいいわよ」
そのまま女神は部屋に帰っていった。え?え?どういうこと?怒らないの・・・
~女神目線~
彼が今から行く世界に、私のエナジーを超回復できるスイーツがあるみたい。
「あのさ、今回の世界に美味しいスイーツあるの。お願いね」
彼の顔を見ているだけで私は癒される。
「買って来たらよろしいのでしょうか?」
いつも以上に素敵な彼。
「あら嬉しいわ」
彼が無事に帰って来てくれたら、それで満足・・
「行ってまいります」
私は思いっきり手を振り、彼を見送った。
「気をつけてね」
本当に無事に帰って来て・・・
あなたがいれば、何もいらない・・
「申し訳ありませんでした」
土下座をする彼。無事に戻ってきてくれた。でも超回復できるスイーツ売り切れていた。
「えええ!!!売り切れですって!!!」
私は一応がっかりした。でも無事に帰って来てくれたことに満足した。
「まあ、あんたが無事に帰ってきたから、それでいいわよ」
そのまま私は部屋に戻った。大好きな彼を見つめながら・・・