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優しさの試練、誰のために戦うのか
~勇者視線~
今度の僕はおびえている。不安そうにしている……
「このままだと大変なことになるんだから」
「だから……戦うんだ……」
「僕じゃなくても、誰かが何とかしてくれる」
「そうかもしれない……でも……僕は戦うよ……」
「また死ぬかもしれないよ」
「それでも……僕は行くよ……」
「行かない方がいいよ、後悔するよ」
「行かなくて後悔する方が……もっとつらいから……」
「そう……ここでやめた方……僕は止めたからね……」
今度の僕は消えた。
祠の前に女神とハナがいた……違う……偽物だ……2人が僕に気づく。
「おかえり」「お兄ちゃん…」声も似ている、見た目も……
~女神目線~
自分の心に勝てても……優しいあなたは……偽物だとしても……私たちと戦うことできるかしら……
どうか……乗り越えて……帰って来て……私のもとへ……