疑いの声、信じる心。それでも、信じたい
~勇者視線~
祠の前に立っているが、女神とハナはいない。まだ途中なのか……さっきの記憶は……
「乗り越えたんだ……これはどうかな……」
別の僕が立っている。さっきと違って……今度は怒っているように感じた。
「始めるよ」
僕が返事する前に記憶が降ってきた。
女神に無理なことをさせられている。休みもなく……理不尽に怒られ……急に機嫌が悪くなる……
振り回される……声が聞こえる。
「君にとってあの人って何?」
「主人……転生させてもらった……助けてもらった……」
「そう信じ込まされてるだけ」
「守ってもらった……」
「利用価値があるからさ」
「そんな人じゃない……」
「どうだか、自分勝手なことされてるだろ」
「それは否定しない……」
「なら、もういいだろ」
「それは違う……」
「違わない。価値が無くなったら捨てられる」
「構わない……」
「自分を大事にしろよ」
「自分を大事にしている……だから一緒にいたい……」
「後悔する日が必ず来る」
「もしそうなら……その時に考える……」
「何でそこまでするんだ」
「分からない……分かっていることは大事な存在だってことだ」
「好きにすれば、もういいよ……」
別の僕は消えて行った。また女神たちの居ない祠の前だ。
まだ続くのか……
~女神目線~
私は彼を大事に思ってきた……でも……彼はどう思ったのかな……わがまま言ったし……
感情的なこともあった……許してもらえるかな……正直自信ない……