問いかける声それでも、構わない
~勇者視線~
僕はなぜ戦っている……今までの戦いの記憶が流れ続けている。
僕が倒してきた魔王達……本当に倒さないといけなかったのか……倒した魔王達が次々と現れた。
そもそも……何故、女神のもとにいる……記憶の世界に僕は引き込まれている。
今は…夜なのか……朝なのか……どっちでもいい……僕は目が覚めた、家にいる。会社に行かないと。
朝日より早く僕は活動している。太陽を最後に見たのはいつだろう。どうでもいい事だ……
年寄りが道路を横断している。ライトの明かりが近づいている。ぶつかる……どうでも……よくねえよ……
僕は走る。年寄りをつかむ……後ろへ……僕は反動で倒れた……車が近づいている。
「うわあああああああ」
僕は自分の最後の瞬間を思い出した。
「後悔したでしょ」
鏡の中の自分が僕に向かって笑っている。
「後悔か……あの年寄りってどうなったんだろう」
「今も元気だ。そんなことより、関わらなければよかったでしょ」
「そうか……生きているのか」
「何だよそれ……死んだんだよ……先の短い年寄りだよ……」
「僕は構わないよ」
「ふん……もいいよ……君はつまらない……」
もう一人の僕が消え、僕は祠の前にいた。
~女神目線~
彼は過去を知って、どう思うかしら……後悔……絶望……負の感情とどう向き合うか……
飲み込まれるかも……帰って来ないかも……どうか……私のもとへ……帰って来て欲しい……