説教された僕。ストレスで変な私。
~勇者視線~
僕は順調に魔王を討伐していた。そんなある日の事だった。
「あんたってさやる気はあるの?」
突然の説教。青天の霹靂ってやつですよ・・・
「僕に足りないところがあれば仰ってください」
いつものように僕は下手にでる。まあ、何かあるんだろうし、ここは素直に・・・
「やる気って言うか覇気と言うか。そう、物足りないの」
覇気?物足りない?どういうことだ?
「具体的にどういう所でしょうか?」
この人は何を求めているんだ?
「まあ、魔王は倒しているし、ちゃんと帰ってきてるし」
なら、何がいけないというんだ?
「もっと私の事をときめかして欲しいというか・・・」
はあ?何言ってんの?僕をホストと勘違いしてるよねこの人・・・
「僕の目的は魔王を倒すで、間違っていませんよね?」
僕の目を見ないまま女神は頷いた。
「うん、まあこの調子でがんばって・・・」
なに?何だったの?この時間って誰得?
~女神目線~
私はストレスが溜まっていた。仕事もだけど、彼に気持ちを伝えたいのに言えないこの状況に。
「あんたってさやる気はあるの?」
彼を説教したいわけじゃないの・・・
「僕に足りないところがあれば仰ってください」
いつものように彼は素直に従ってくれる。でもそれが嫌なの、わがままなのはわかってる、でも・・・
「やる気って言うか覇気と言うか。そう、物足りないの」
私、何言ってるのよ・・
「具体的にどういう所でしょうか?」
そういうリアクションなるよね・・
「まあ、魔王は倒しているし、ちゃんと帰ってきてるし」
あなたは任務は頑張っているの。でも、私の事もかまって欲しい・・
「もっと私の事をときめかして欲しいというか・・・」
ホント私どうしたんだろ・・・
「僕の目的は魔王を倒すで、間違っていませんよね?」
私は恥ずかしくて彼と視線を合わせられず、ただ頷いた。
「うん、まあこの調子でがんばって・・・」
私はあなたの事が好きなの・・・