連絡できなかった僕。我慢できなかった私。
~勇者視線~
僕は魔王を退治した。だが、魔王の毒で大地の汚染が酷く、後処理に追われていた。
「もしもし、聞こえてる?」
女神からの連絡が来たが、タイミングが悪く対応できなかった。
「聞こえてる?返事しなさいよ!」
女神の声が荒くなっている。この人、間が悪いな・・・
「ねえ、無視ですか?怒ってないから、返事しなさいよ」
今度は猫なで声で話してきた。面白いから、様子みてみるか・・・
「何が気に入らないの?ねえってば」
少し涙声になっている。あら、始まったよ・・・
「別れるの?」
何が?別れる?僕と女神ってどういう関係だっけ?
「手が離せなく、連絡遅くなりました。」
僕は慌てて返事をする。だが・・・
「・・・・」
「女神さま?」
「・・・・」
ホントめんどくさいよ・・・
~女神目線~
彼は魔王を退治したはず。でも、いくら待っても戻ってこない。我慢できず私は彼に連絡した。
「もしもし、聞こえてる?」
返事がない。不安になる私。つい声を荒げてしまう。
「聞こえてる?返事しなさいよ!」
何かあったの?お願い返事をして・・
「ねえ、無視ですか?怒ってないから、返事しなさいよ」
もしかして私、彼を怒らせているのかしら?もう泣きそう・・
「何が気に入らないの?ねえってば」
やっぱり返事が来ない。混乱して変なことを口走ってしまった。
「別れるの?」
やだ、私ったら・・何言ってるの・・
「手が離せなく、連絡遅くなりました。」
彼の声が聞こえた途端。私の頬に涙が溢れ始めた。
「・・・・」
「女神さま?」
「・・・・」
無事でよかった・・本当に・・