「天界カフェでまさかの出会い!? 女神VS女神 甘味の仁義なき戦い!
~勇者視線~
女神は融合して情緒不安定?になっている。前みたいに話したと思えば、急に男っぽい話し方をする。
「ねえねえ、そろそろ休憩しようか」まだ歩き始めたばかりですが……
「わーい!のど乾いたね」ハナ……お前もか……
「仕方ないですね、お店があったら入りましょうか」
「貴様ら緊張感がなさすぎだぞ」誰だよ……ジキルとハイドかよ……
こんな調子で女神は、二重人格になっていた。
すると、道の先に現れたのは――
「カフェ・アストラル」
どことなく幻想的で、天界というよりおしゃれな異世界スタバ……いや、もっと神々しい雰囲気。入口にはふわふわの羽根を模した看板が揺れている。
「わー!かわいい〜!」
ハナはもうテンションMAX。
「コーヒーとか、神の飲み物って感じだよね」
そ、そうなのか……?
「ふはは……では神にふさわしい注文をしてみるとしよう……アイスカフェラテのトールサイズで!」
融合人格のテンションにブレがありすぎだろ!!もう女神の人格、どこまであるんだ……
~女神目線~
店内は光に包まれていて、静かで落ち着く雰囲気。でも……なんか、落ち着かない。頭の中でずっと、違う誰かの気配がざわついている感じ。
カップを持とうとした瞬間、
「よっ、久しぶり」
目の前の席に、いつの間にか女の人が座っていた。
髪は銀色、服はカフェの制服……というか、神服ベースのカフェ制服……?おしゃれかよ。
「あなたは……あー……誰だっけ……名前、出てこない……」
「またそれか……私よ。セレナ・ティエラ。かつて味覚の女神と呼ばれていた存在」
明るく笑う彼女――でも、目は笑っていない。
「そうね……覚えてないなら……」
彼女はカフェカウンターに向かって、指をピッと立てる。
「スイーツバトル、やるしかないでしょ☆」
「なんでえぇえええ!?」
「よし来い!望むところよ!……とか言ってるけど私も聞いてないわよ!?」
~勇者視点~
「何が始まるんですか」
「スイーツバトルらしいよ」
「なにそれ!!!」
そして、ステージのように照明が当たったテーブル席。
女神と、謎の銀髪カフェ女神セレナが向かい合う。
「本日の勝負:限定天界スイーツ・デコレーション対決!」
ハナが解説を始めた。どこで覚えたんだそのスキル。
「制限時間内にスイーツを美しく、神々しく飾り付けられた方が勝者!記憶が解放され、融合可能になります!」
「よーい、スタート☆」
女神の新たな戦いが、また始まった。