女神vs温泉ガチ勢!? 牛乳早飲みで記憶ゲット!
~勇者視線~
ああ……いい湯だな……こんなにゆっくりしてて罰が当たらないかな……
それにしても女湯の方は騒がしいな……桶でゴングでも鳴らしてるのか……
まあ……ハナがいれば大丈夫でしょう……極楽だ……
なんか拍手が響いてる……何してるんだか……今日は気にするまい……
~女神目線~
「よし、ルールは単純明快。フルーツ牛乳を一気に飲み干した方が勝ち」
そう言って、サリエルは湯けむりの中からどこからか取り出した2本のフルーツ牛乳を構える。
「いや、どこから出したのよそれ!? 天界、衛生観念大丈夫!?」
「温泉ルールにツッコミ禁止」
でもまあ、やるしかない。記憶がかかってるんだもの。
こうなったら――私も、神の意地、見せてやる!
「では……はじめぇぇぇぇッ!!!」
カンッ!(桶がゴングがわりに鳴らされる)
同時に2人の女神が、瓶を手に持ち、フルーツ牛乳を勢いよく仰け反る!
「ごぶっ!?」
思い切りむせた。
「ぷふぁっ!つ、冷たいっ!? これ地味にきついんだけど!?」
サリエルはというと、顔色一つ変えずゴクゴクと流し込んでいる……
「ぐぬぬ……この娘……訓練してるな……」
「当然だ。私は温泉ガチ勢……特訓してきたからな」
「なにその修行スタイル……天界どこ向かってんのよ……」
私も負けじと再び瓶をあおる!――が、途中で脳にキーンと来る寒さが。
「うぅ……フルーツ牛乳なのに脳天直撃……」
そのとき、背後からハナの声が聞こえた。
「お姉ちゃん、ファイトー! 根性よ根性!気合い入れて飲み干すの!」
応援が体育会系なのよォォ……
「ごきゅっごきゅっ……ぷはああああッ!!!!」
ちょうどその瞬間、サリエルも瓶を置いた。
「ふう……終わったな」
まさかのドローぉぉおお……
「タイム一致、まさかの同着。よって……判定勝負になります」
天使のお姉さんのジャッジは、まさかの判定。
「さて、判定基準は……飲み姿が美しかった方」
なんで美しさ重視なの!? それ早く言ってよ!!
「勝者:女神! 飲み姿が湯けむりに映えていて素晴らしかったです」
「やったあぁぁあああああ!」
「うそだろ……そんな基準があったなんて……」
そして私は、サリエルと融合した。
「なんか、鏡があったわね……」
「お姉ちゃん記憶が戻ったんだ」
「うーん……気がする……」