温泉勝負!女神の記憶は湯けむりの中に!?
~勇者視線~
女神はハナと温泉に入っている。何が目的でしたっけ……
天使のお姉さんも女神の方に行っている。僕は1人で待っている。
このまま、待っているだけなのか……
温泉の方が何か騒がしいな……覗くわけにもいかないし……ハナが付いていれば大丈夫か……
僕も男湯に入ってこよう……たまにはゆっくりしようかな……
~女神目線~
あーあー……温泉って……混浴なら……彼もいっしょに入れたのにな……
「お姉ちゃん変なこと考えてたでしょ?」
「な、なに……いいえ……そんな訳ないわよ……」
鋭いわねこの子……
「そんなことより、記憶に関係しそうなこと何かないの?」
全くないわ……不味いわね……温泉に入って終わりって……
「もう少しで……ああ……ダメ……」
「そっか……」
まあ……いい湯だし……これはこれで……いいような気がする……
後ろから声がした。
「相変わらずだな……」
うわ……女神幼稚園で一緒だった……誰だっけ……顔は見覚えあるけど……名前……出てこない……
「あなたは……確か……そうね」
「憶えていないのか?」
見下ろすようにして私をじっと見ている。
「ま、まあ……顔はわかるわよ。たしか幼稚園で隣の机だったような……あの、ほら、アレでしょ? ぐるぐる巻きの、羽がモフってた……」
「それ、ウリエル。私はサリエル」
「サ、サリエル……そうだったわ! ごめんなさいね……もう……記憶も羽もボロボロなのよ……」
「やっぱり記憶抜けてるのか。女神として、それは由々しき事態だな……」
「い、いやでもほら、記憶って繊細なもので、ほら、温泉でゆる~く……回復するタイプも……」
「勝負しろ」
「ちょ、ちょっと待って、何それ急展開すぎない!? 温泉でいきなり勝負って、どういう世界観なの!?」
「どうもこうもない、勝負して勝った方が負けた方を融合する。いいな?」
「相変わらず強引ね。まあいいわ、勝つのは私よ」
「勝負は温泉フルーツ牛乳早飲み対決だ」
「急に昭和ァァァッ!!!」