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名を忘れし女神、心を映す空へ~え?天界ってそんな気軽に行くとこなの!?~

~勇者視線~

女神が荷物を整理している。何をしている……

「女神様、引っ越しでもするのでしょうか?」思わずうかがう僕。

「ちょっとね」……コンビニでも行くの?

「お姉ちゃんどこか行くの?」ハナも気にしている様子。

「天界まで」気軽に行くとこじゃないよね……

「目的は何ですか?」

「私の名前を探すの」迷子の子猫ちゃんみたいな……

「名前を……探す?」

僕とハナは顔を見合わせた。

女神は、少し困ったような笑みを浮かべている。

「正確には、本当の名前ね。今の私は、神としての機能を維持してるだけで、記憶も力も完全じゃないの」

「記憶……それって、封印されてるとか?」

「うん。天界の奥深く、“女神たちの中枢”に眠ってるの。私の記憶も、名前も、過去も。取り戻すには、そこにある“試練”を突破しなきゃならない」

「また試練か……」

ハナが不安そうに問いかけた。

「じゃあ、お姉ちゃん……その名前を取り戻したら、変わっちゃうの?」

女神は一瞬、目を伏せて、でもすぐに顔を上げた。

「変わらないわ……ただ、私が他の女神たちと融合するから……多少、思考や言葉遣いが混ざるかも」

「人格が上書きされるとか……そういうのは?」

「ないわ。私の意志が核にある限り、私は私。でも、女神としての本来の力を取り戻すには、分かたれた自分自身を取り込んでいくしかないの」

思ったよりずっと、重大な話だった。

「なら、僕も行きます」

そう言った瞬間、女神とハナが同時に「はぁ!?」と声を上げた。

「なに言ってるの!? 天界って神様の領域なのよ!? 勇者でも立ち入り制限される場所なのに。というか普通、軽くじゃあ行くわみたいなノリで行く場所じゃないのよ!?」

「でも、女神様の中にいる女神たちが鍵なら、世界のバランスとも関わるってことでしょう? それに……僕も、自分の存在が門の鍵になっている以上、何もしないで見てるわけにはいかない」

ハナもすぐに口を開く。

「お兄ちゃんが行くなら、私も一緒に行くよ。絶対、置いてかないから!」

女神はため息をついた。

「まったく……ほんとに、手のかかる子たちね。でも……ありがとう。私、やっぱり一人じゃ怖いのかも。全部を思い出すのが」

「じゃあ……三人で行こう、天界へ。本当の名前を取り戻す旅に」

その言葉を皮切りに、僕たちの“神域を越えた冒険”が始まった。


~女神目線~

やっぱり……一緒に来るってなったわね……まあ、なんとかなるか……二人なら天界に入れると思うんだけどな……

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