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帰還の微笑み、鍵となる存在、女神の懸念
~勇者視線~
黒仮面の男はいなくなった。灰白い空間から元に戻った、時の流れもある。
「アンタってホント馬鹿よね」「お兄ちゃん……無茶しすぎ」
女神とハナが心配そうに僕を見ている。
「ご迷惑を……結局二人に助けてもらって……」
「まあ、あんたがいないと私も困るし……」
女神はプイっと横を向いた。
「絶対にダメ!どこにも行かないで……」
ハナは泣きながら僕に抱きついてきた。
「ああ……ダメ……何やってるの……」
女神の便乗してくる。
いつもならツッコむが、今日はまあいいか……
~女神目線~
まさかあいつらの狙いが鬼神の血だけでなく……勇者の存在……彼の記憶が、開門の鍵だったなんて……
こんなの……ただの偶然じゃ済まないわ……