世界を止めた神、抗った神々~創られし三柱と静止の意志~
~勇者視線~
女神が古い神話のような話をした……
―「始まりの神」と三柱の神の物語―
遥か古の時代、始まりの神と呼ばれる存在が、混沌に一筋の理をもたらした。
その神は、創造した。
光を、大地を、空をそして……命を。
だが、己一柱では世界の均衡は保てぬと悟り、三柱の神を創生する。
創造を司る女神──生の喜びと調和をもたらす神。
改革を司る魔神──破壊を糧に道を拓く、革新の神。
再生を司る鬼神──死の果てに巡る命を守る、輪廻の神。
三神は世界に流れを与え、時は巡り、文明は芽吹いた。
ある時、始まりの神は未来に絶望した。
争い、傲慢、滅びへの道を歩む人々を前にし、こう決断したのだ。
「この世界に永遠の静寂を。流れを止め、全てを終わらせよう」
それは静止の裁きと呼ばれた。
三神はこの裁きを拒み、己が創り主と対峙する。
激しい葛藤の末、三柱は始まりの神を封印することに成功した。
だがその代償として、三神は名を忘れ、姿を変えて世界に分裂した。
女神は慈しみだけを残し……
魔神は反骨のまま……
鬼神は輪廻の兆しとなり、次代へと受け継がれていった……
~女神目線~
黒仮面の男……始まりの神を信仰する集団……名前と記憶を取り戻した鬼神であるハナの血を狙っている。
始まりの神の復活を企んでいるのね……