神たちの嫉妬劇 -ドッキリと心臓と、ちょっとだけ本音-
~勇者視線~
例のサプライズの後から、ハナと女神の間に若干の距離を感じている。めんどくせーな……
女神が話しかけても、ハナは返事をしないことがある。仲良くしなくていいから……無視はやめなさい……
女神は特に気にしていなさそうだが、そんなある日。
「魔王討伐に行ってきますよ?」
2人をうかがう僕。気を使い過ぎて……ハゲたら責任取ってくださいよ……
「気をつけて、私の所へ戻ってくるのよ」
いつものセリフだった。だが……事件は起きた……
「ダメ……お兄ちゃんは私の所へ戻ってくるの!」
ハナが突然大声で叫んだ。なになに……どうしたの……
「小娘が!私のモノに手を出す気……」僕はモノじゃないです……あなたのモノでも……ないんです……
「なによ!この間も抜け駆けしたし……私も怒ってるの!」いやいや……やめて……お願いします……
「ほう……怒ったら……どうなるっての……」大人な対応を……喧嘩はやめて……僕は誰のものでもないよ……
「良いの……本気出すわ……」鬼神化はダメ……絶対にダメ……
「2人とも……落ち着いて……神どうしは争っては……ダメでちゅ……」何かんでるんだ……
女神は後ろから何かを取り出した。ああ……武器はダメ……もう世界の終わりだ……
女神はカンバンを持って
「お兄ちゃんゴメンなさいこれは女神様の命令で……」
「はあ……あんたも乗り気だったでしょ。何裏切ってるのよ……」
「お姉ちゃん……お兄ちゃんの心臓止まってるよ」
「あらやだ……ちょっとやり過ぎたわね」
「早く戻そうよ」
「そうね」
僕は蘇生した……なんだろう……ホント……これは……許したらダメな……案件ですよね……
~女神目線~
私女神はちょっとだけ、悪戯したくなりました。
例のサプライズの後から、彼が気を使い過ぎている。
普通に大丈夫と言えばいいんだけど、それでは面白くない……ここはドッキリでしょ……
大成功でした……ただ……ちょっとやり過ぎたって……反省しております。
彼が復活した後の表情が気になった……怒ってるかな……ゴメンなさい……