不満だらけの僕。戸惑うも強気な対応した私。
~勇者視線~
僕は女神に転生させられ魔王を退治している。休みもなく、報酬もない・・・そのことを女神に訴えた。
「処遇改善をお願いします」
予想に反することなく女神は不機嫌になった。
「はあ?何が不満なわけ?」
うーん。この状況の何に僕は満足できるというのだろう・・・
「休みないですし、報酬も・・・」
女神は僕の話の腰を折ってきた。
「休みが欲しいですって?ちゃんとあげてるでしょ」
いつでしょう?ずっと魔王と戦っていますが・・・
「報酬がないですって?はあ!私のそばに居られる以上に何が報酬だって言うの?」
は?なに?何て言った?女神のそばにいることが報酬?ふざけんな!
「仰っている意味が分からないのですが?」
「あんたって理解力ないの?私みたいな美しい女神に仕えることができて幸せでしょ」
その言葉に僕は耳を疑った。
「はい?」
「何よ気に入らないって言うの」女神は涙声になって僕から視線を外した。
はあ・・始まったよ・・・
「僕は女神さまに仕えることに不満はありません。たまに休みを頂けたら」
妥協する僕をチラ見しながら女神は呟いた。
「考えてあげる」
ハイって言えや!!!!
~女神目線~
「処遇改善をお願いします」
私は戸惑った。彼は何を求めているの?なんて答えれば・・
「はあ?何が不満なわけ?」
うーん。優しく聞いてあげたいけど・・・恥ずかしい。もし、私の事を求められたら、どうしよう・・
「休みないですし、報酬も・・・」
え?そういう話なの?もう・・
「休みが欲しいですって?ちゃんとあげてるでしょ」
あなたに疲れが残らないように、私のエナジーを送っているの・・何てこと言えない・・
「報酬がないですって?はあ!私のそばに居られる以上に何が報酬だって言うの?」
やだ、勢いで私、何てこと口にしたのよ。恥ずかしい・・
「仰っている意味が分からないのですが?」
「あんたって理解力ないの?私みたいな美しい女神に仕えることができて幸せでしょ」
もう勢いで・・強気で・・やっぱり恥ずかしい・・
「はい?」
やっぱり嫌よね・・私だって休みあげたいの・・でもダメなの・・わかってほしいの・・
私は彼を見ることができなかった。もう泣きそう・・
「何よ気に入らないって言うの」
「僕は女神さまに仕えることに不満はありません。たまに休みを頂けたら」
そう言ってくれる彼をまともに見ることができない。チラチラ覗くことしかできなかった。
「考えてあげる」
ごめんね、あなたを休ませてあげられない理由。今は言えないの・・・