泣き虫鬼子と守れなかった過去「黄泉に響く約束の声」
~勇者視線~
黄泉の国を進む中、古い祠を見つける。中には石碑があり、触ると、鬼子が突然泣き出した。
「忘れちゃいけない、大事な人がいた」と言い出す鬼子。
過去の記憶の様だ……誰なんだろう……
「何か思い出したのかい?」
「よくわからないの……でも……大切な人……のような……」
「私の出番かしら」
違います……もうちょっと黙ってて……お願いします……
「女神様。無理なことはやめましょうね?」
「大船に乗ったつもりでいなさい!」タイタニック号だ!!!
「ちょっと……鬼子ちゃんこっちおいで」
僕は鬼子を呼んだ。もちろん女神もついて来た……
石碑は鬼子が前に立つと光だし亡霊が現れた。
鬼子は怯えつつも「何か知っているの?」と問いかける。
亡霊は「お前が守れなかったから……」とつぶやく。
「だったら僕が代わりに守る。もう彼女一人じゃない」
僕が言うと、亡霊は驚きつつも「……ありがとう」と消えていった。
鬼子がポツリと「守れなかったの……」と泣き出す。
「ほら、勇者がいるじゃない。過去なんか気にしないの」
女神は意地悪そうに言いながらも、さりげなく優しく頭を撫でる。
「何気に優しいですね」
「うるさいわね!」
~女神目線~
なにか分かりそうね……この亡霊は、この子が暮らしていた村の村長っぽいわね……
守れなかった……この子の役割……生贄と何か関係ありそうね……