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お風呂に入りたい?そこは血の池地獄ですよね……
~勇者視線~
僕は女神の力のおかげで、疲れずに黄泉の世界を進めていた。だが気分的に休憩したくなる。お風呂にも入りたくなる。
そんな時、不意に独り言を言ってしまった。
「お風呂が恋しいな……」
その声に女神が反応した。
「あんたの為に私が一肌脱いであげるわよ」
嫌な予感しかしないのは……僕だけではないですよね……
女神と鬼子が僕の横に現れた。
「温泉掘り当てるわよ」
女神はヘルメットをかぶりシャベルを持っている。鬼子はつるはしだ。
手作業なのか……神の能力で……できるだろ……
2人の神は、辺り掘り返している。そして、ガキ―ン!何かを掘り当てる音が響く。
ドドドドドドドドド!!!!真っ赤な水柱が上がる。
「こ、これは……血の池地獄……」
呆れる僕に女神がどや顔になっている。
「入っておいで」
入れるか!!!!!!!!
~女神目線~
彼がお風呂に入りたがっている。
どうやらここを掘ればいい温泉が出るようね。
やってあげようじゃない……彼が喜ぶわ……
やったわ……ちょっと色が濃いかしら……でも……魂も綺麗になる名湯だわ……
何か……彼が勘違いしてる?なんで?なんで?