道に迷う僕を導く女神。違いの分かる私のこだわり……
~勇者視線~
僕は道に迷っている。正確に言うと同じところを何度も進んでいた。
「女神様、申し訳ありません、僕は道に迷っています」
妨害か、幻術の類だろうな……
「わ、私にどうして欲しいの?そっちに来いと言うの?」
嫌がる女神。原因調べてくれたら助かるんだけど、無理か……
「お兄ちゃん聞こえる?足元に何か見えない?」
鬼子がなにかに気づく。足元……あ……札がある……
「ありがとう、これは……女神様見えますか?」
僕にはわからない文字が書いてあった。
「禁術の類よ。方向感覚が狂わされてるみたい」
それが原因なのか……
「そんなことよりこれホントにひどいわね」
「そんなにですか」
ヤバそうだな……
「ええ……字が汚すぎるわ」
どうでもいいだろ!!!!
「文法も間違ってるし」
許してやれよ!!!!
「焼却!」
女神の能力で札は一瞬で消え、僕は進むことができるようになった。
やっぱり女神はすごい……すごいんだけど……そこ、こだわるとこじゃないですよね?
~女神目線~
彼も私のすごさに感心しているでしょうね……なんてったって私……書道5段だし……
禁術の文法も……師範代だし……彼も尊敬しなおしたでしょうね……うふふ……