守ることを誓う僕。排除するしかないと考えた私。
~勇者視線~
鬼神は僕が叫ぶと苦しそうになっていた。
僕の声に反応しているのか……さっきの声は何だったのだ……
「声に反応していないかしら?」
女神もそう思っているようだ……
「こっちだ!鬼よ僕を見ろ!」
精一杯の声で叫んだ。
やはり、苦しんでいる。僕の声で何が起きている……
「助けて……お兄ちゃん……」
かすかな声がまた聞こえてきた。
誰なんだ?助けを求めているのか?
「僕が助けるから……出ておいで……大丈夫だよ」
声の主に僕は語りかけた。
「勇者よ誰と喋っておる」
魔神は不思議そうな様子。さっきの声が聞こえていないのか……
「何言ってるの?誰かいるんだね?」
女神は聞こえていないが、僕の行動は理解している様子。
「僕の所においで、守ってあげるから」
その声に反応するように、突然……鬼神が光り輝き始めた。
そして……鬼神は消えた。そこには小さな女の子が現れていた。
~女神目線~
やっぱり……鬼神は彼の声に反応して苦しんでいる。彼の声が鬼神を浄化させているようね。
彼にだけ、声が聞こえているみたいね……何かしら……私の勘がとても不吉な予感を……
まさか……彼がいなくなる……そんなのイヤ……絶対にイヤ……死んでもイヤ……
胸騒ぎがひどくなる……なに……鬼神が……光ってる……いなくなった……!!!!!……
なにあのガキ……危険ね……彼に近づかないよう……排除しないと……