決戦に臨み決意した僕。彼にエールを送る私。
~勇者視線~
険しい道を抜け、僕たちはようやく祭壇へとたどり着いた。
だけど……何だ……この異様な空気は……肌がざわつき……息苦しい……
祭壇の中央には巨大な石碑があり、その周囲に刻まれた封印の紋様がかすかに残っている。
「封印がほぼ崩壊しているな……」
魔神が険しい顔で呟く。女神も険しい表情でうなずいた。
「瘴気が強まりすぎている……これじゃ……封印が持たないわ」
空気が重い。まるで何か巨大な力がうごめいているような……
ゴゴゴ……!
突然、地面が揺れ始めた。石碑が軋む音を立て、不気味な風が吹き荒れる。
辺りが静寂に包まれたかと思うと、ドクンと心臓が鳴るような重圧が押し寄せてきた。
「来るわ……」
女神の緊迫した声に、僕は反応した。
「鬼神か……」
冷たい汗が背中を伝う。ここで逃げるわけにはいかない。
僕が立ち止まれば……すべてが終わる……
「ここでやるしかない……」
自分に言い聞かせるように、剣を構えた。
魔神も女神も、僕の決意を感じ取ったのか、静かに頷いている。
どんな相手でも……ここで退くわけにはいかないんだ……
~女神目線~
私たちが封印した石碑には、ほぼ封印の紋様が残っていなかった。
もうダメね……持たないわ……来る……私は、鬼神の気配を感じ取った。彼に伝えると、察してくれた。
また始まるのね……彼もいい顔してるじゃない……もともとイケメンだけど……今はそっちじゃない……
まあ……そんなことも、もう言ってられないわね……さあ来なさい……相手になるわよ……彼がだけど……
頑張ってよ……マイダーリン……絶対に負けないで……