表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/187

僕は背筋に悪寒が走る。私は命令口調で祈っています。

~勇者視線~


僕は交通事故で死んだ。

目を開けると、目の前には綺麗な女性。


「ここは……天国……?」


「いいえ、違います。あなたに力を授けます。世界を救ってきてくださいね」

彼女は女神だった。


転送された先では、魔王が人間を侵略していた。

王の依頼で、僕は魔王を倒す武器を探し、戦い、勝利した。

世界に平和が訪れたその瞬間、女神が現れた。

「よくやりました。では――次の世界もよろしく♪」


再び光に包まれ、僕の背筋に悪寒が走る。


「また私のところに、ちゃんと帰ってきなさいよ……?」

それは、命令であり、呪いのような言葉だった。                                     



~女神目線~


彼は交通事故で転生した。


私にとって「ただの仕事」のはず…

転生システムを担当する女神なのに…


一目見て、私は確信した。

「彼……私の好みだ」


「力を授けます。世界を救ってきてくださいね」

そう言ったけど、本当は。


『私のところに必ず帰ってきて』

そう言いたかった。


世界に転送するとき、胸が少し痛くなる。

人間に感情移入するなんて、女神失格なのに。


それでも。


彼が頑張っているか、私は全部見てきた。

転生する前の人生。魔王を倒すまでの全部。



そして平和が訪れた。


「よくやりました。では――次の世界もよろしく♪」

軽く言った。


でも本当は怖かった。


また、転送しないといけない。


もう帰って来れないかも……


だから、最後にこう言った。

「また私のところに、ちゃんと帰ってきなさいよ……?」


命令のフリをして、祈るように。


それが私の、最初の束縛だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ