表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/30

第6話 街での一夜

しばらく歩いていると、どこからか声がした。


「おい、お前ら。カップルでおデートかい?」


振り向くと、そこには目つきが悪いオッサンが1人、立っていた。片手には光るナイフを持っている。


「にいちゃん、金、置いてけよ。おっと、その子もだ」


ツヨシは冷静に言い放った。


「失せろ。でないと、痛い目に合うぞ!」


オッサンは舌打ちをしながら、ナイフを振りかざしてツヨシに襲いかかってきた。

その瞬間、ティナが叫んだ。


「今よ!」


ツヨシはその言葉を合図に、ナイフを持ったオッサンの右手に向けて、ハンマーを振り下ろす。

ナイフは弾かれ、オッサンは驚いた表情を浮かべて後ろに倒れそうになった。

ツヨシはその隙を逃さず、もう一度ハンマーを振り下ろしてオッサンの頭に一撃を加えた。

オッサンはふらつきながらも、なおもツヨシに再び襲いかかってきた。


「この野郎!」


ツヨシは再びハンマーを振り下ろすと、オッサンの頭にもう一撃を加えた。

オッサンはそのまま気を失い、地面に倒れた。

ツヨシは息を整えながら、倒れたオッサンの懐から3万円を奪い取った。


「これで少しは生活できるな」


ツヨシは苦笑しながらつぶやいた。

ティナは安堵の表情を浮かべ、ツヨシに微笑んだ。


「ありがとう、ツヨシ」



その日の夕方、二人は最初の街にたどり着いた。

この街で、何か武器や道具など、役に立ちそうな物が買えるかもしれない。


「このままだと、もっと強い盗賊には勝てないかもしれない」とツヨシは思った。


ティナの家から持ってきたハンマーでは、これからの戦いには、少し不安だ。


街の中心にある武器店らしき店に足を運んだ。

店内に入ると、次のような武器が並んでいた。


ムチ     1万円

高級ハンマー 3万円

弓      5万円

ロングソード 15万円

刀      20万円

サーベル   20万円

サブマシンガン50万円

手榴弾    100万円


ツヨシがティナの方を見ると、ティナが申し訳なさそうに言った。


「ごめんね、私もあんまりお金は持ってないの。10万円ぐらいならあるけど…食費や宿泊料を考えると、あんまり使えないかも」


ツヨシは一瞬、目の前に並ぶ武器を見つめた。


「ロングソードやサーベルを買うのは無理だし…」


ツヨシは少し悩んだ後、高級ハンマーを指さした。


「これにしようよ。ハンマーなら慣れてるから、すぐに使えるし、もう少し強い盗賊にも立ち向かえるかもしれない」


ティナはうなずきながら微笑んだ。


「そうね、私もそう思うわ」



その後、ツヨシとティナは食堂で軽い食事を取った後、ホテルへ向かうことにした。

歩きながら、ツヨシは心の中で自分を落ち着かせようとした。

ティナの笑顔が頭に浮かび、その優しさに胸が高鳴るのを感じた。


心の中で、どうしてもその気持ちを抑えきれない自分に気づいた。

視線を逸らすことで、自分を落ち着けようとしたが、やはり気になって仕方がない。


「ティナは、あんまりお金がないって言ってたけど…、一緒の部屋に泊まることになるのか...?」


胸の中で、期待と不安が交錯していた。

次第に心拍数は上がり、呼吸も少し乱れがちになる。

それでも、ティナが微笑んで「どうぞ」と優しく部屋を招き入れてくれると、その安心感に少しだけ心が落ち着いた。


部屋に入ると、心地よい温かさと落ち着いた雰囲気に包まれていた。

ティナは部屋の隅でお茶を淹れながら、ツヨシに話しかける。


「今日はすごく疲れたね。でも、だいぶ洞窟まで進んだわ。うまくいけば、明日には洞窟にたどり着けるかもしれない。ツヨシのおかげよ、本当にありがとう」


ティナが微笑んでお茶を差し出す。その優しさに、ツヨシの胸はさらに高鳴る。

ティナの目を見つめると、心の中で彼女への感情が溢れ出しそうになり、その気持ちを必死で抑え込んだ。


「じゃあ、私、先にシャワーしてくるね」


とティナが静かに言った。

その言葉に、ツヨシは思わず目をそらした。

ティナの存在が近すぎて、彼女の笑顔に耐えることができなかったからだ。


ティナは、シャワーを済ませると、浴衣姿で部屋に戻ってきた。

柔らかな布地が揺れ、髪からはほのかな香りが立ち込めていた。

その光景に、ツヨシは心臓が高鳴るのを感じた。


「ツヨシもシャワーしてきてね」


ティナの優しい笑顔に、ツヨシの心は揺れた。思わず心の中で、彼女にもっと近づきたいと感じたが、無理にその気持ちを抑え込んだ。

ツヨシは心臓が鼓動を速めるのを感じながらシャワーへと向かった。


(続く)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ