↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/30

第14話 「警察署の生存者」

ツヨシたちが部屋に入ると、薄暗い空間の奥で警官が椅子に座り込んでいた。

顔は青白く、制服は血で汚れている。傷はかなり重症のようだ。


「大丈夫ですか?」


ティナが恐る恐る声をかけると、警官はかすれた声で呟いた。


「水を…頼む…」


ティナはバッグから水筒を取り出し、警官に差し出した。警官は震える手でそれを受け取り、少しずつ飲み始めた。

そして、ティナは、警官に回復魔法をかけた。


「ありがとう…」


彼は息を整え、ゆっくりと語り始めた。


「この街はゾンビウィルスに侵されている」


警官の声は弱々しかったが、その言葉には重みがあった。


「空気中に漂うウィルスだが、マスクを着ければ少量なら防げる。感染しても早期に治療すれば助かるんだ」


ティナが眉をひそめる。


「じゃあ、どうしてこんなことに?」


警官は顔をゆがめ、悔しそうに首を振った。


「住民たちはウィルスの危険性を甘く見た。マスクをつけるように何度も警告したが、誰も聞かなかった。それに、感染者が増えすぎて病院の治療能力を超えたんだ」


彼は深いため息をつき、暗い目で二人を見つめた。


「その結果、街の大半がゾンビに変わってしまった。外にいるのはほとんどが感染者だ。生存者は、もう私たちだけかもしれない…」


警官は震える手でポケットから2つの鍵を取り出した。


「これを持っていけ」


ツヨシは武器庫と備蓄庫の鍵を受け取り、感謝を込めて言った。


「助かります。お体を大事にしてください」


ティナも柔らかい笑みを浮かべた。


「ありがとうございます。何か見つけたら戻ってきますね」


警官は弱々しく微笑んだが、すぐに目を閉じて椅子に体を預けた。


「まずは武器庫に行こう。いつゾンビに襲われてもおかしくない。強力な武器が必要だ」


ツヨシは鍵を手に持ち、ティナとシロを連れて警察署の奥へ進み始めた。薄暗い廊下は血の跡が点々と続き、不気味な静けさが漂っている。


「気をつけて。何か出てくるかもしれないわ」


ティナが小声で呟いた。


「わかってる。シロ、気をつけろ」


ツヨシはシロの頭を軽く撫でながら、ハンマーを構え直した。

武器庫の扉にたどり着いたとき、背後で微かな物音がした。


「カサカサ…」


ツヨシたちは振り返るが、何も見えない。


「気のせいか?」


ツヨシが警戒しながら鍵を挿し、扉を開けると、中には整然とした武器が並んでいた。


棚には様々な武器が所狭しと置かれている。


「すごい…これだけあればゾンビとも対抗できるわ」ティナが呟いた。


ツヨシは武器を一つずつ確認しながら言った。


「ハンドガン、ショットガン、サブマシンガン、グレネードランチャー…。これならなんとかなるかもしれないな」


ティナは小型のハンドガンを手に取り、

「これなら私でも使えそう」

と言った。


シロは棚の隅で何かを嗅ぎながら、再び低く唸り声を上げた。ツヨシは言った。


「外で凍らせたゾンビが、もう動き出したかもしれない。外に出ると危険だ」


ティナは、ツヨシに提案した。


「地下を通れば、街の外に出られるかもしれない」


武器を確保した後、ツヨシたちは備蓄庫へ向かった。


「ここに水や食料があるはずだ」


鍵を使い扉を開けると、中には保存食や飲料水が整然と並んでいた。さらに、棚の端には未開封のマスクの箱が積まれていた。


「これで最低限の準備は整うわね」


ティナが手際よく荷物をまとめていく一方で、ツヨシは警戒しながら周囲を見回していた。備蓄庫の中は比較的安全そうだったが、不気味な静けさが漂っていた。

シロは備蓄庫の隅を嗅ぎながら低く唸った。


「どうした、シロ?」


ツヨシが尋ねると、シロはわずかに耳を動かしながら静かになった。


「とりあえず水と食料を持てるだけ持って行こう。それから地下の入り口を探すんだ」


そのとき、遠くからかすかに音が聞こえた。


「カサカサ…」



(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。