隙間時間の戦い
私には、書き途中の物語がある。高校を卒業して、この仕事に就いてから、物語をちっとも書かないままだった。私が物語を書かなかったのは、忙しくて書く暇もなかったからではない。向き合える時間があったのに、向き合わなかったから。書き始めても結局書けない結末が、自分の技量不足を知ってしまうのが怖かっただけだ。今書いてるこれも、一文字目にどれだけの葛藤があったことか。情けないことだ。私は書くぞ、こんな物語をみんなに見せてやりたい、そう意気込んでいたのに。
もう、やらない後悔はしたくない。私は、時間を縫って少しずつ、書き続けるぞ。どんなテーマにも挑戦して、いろんな味を作ってやる。私を応援してくれる一人目が現れるまで、どれだけかかるか分からない。書く度に劣等感の闇を見るだろう。それでも、負けない。負けないから。