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序
孤独の発生とは、どこからやってくるものなのだろうか。
個人の、置き去りにされた肉体が外からの刺激によって反応しているものかもしれない。それとも心の、その人の心が内臓と肌とを通過して内にいないのかもしれない。どちらにせよ、孤独はその人にとって一月の冷たい風のように痛覚を感じさせる。隙間風のが吹き込み深々と冷えていく精神と肉体。そこには一本のマッチが必要だ。
凍えて死んでゆくか。ほんの瞬間の灯火で生きることを選ぶか。迷うことはない、一本のマッチをとにかく擦る、ありったけの反骨の情念を込めて。それは孤独からの脱出、または孤独による力を手にすることに他ならない。あとは魂の解放を求めて、照らされた道を進むのみなのだ。
君が感じる孤独は一年…十年……百年。いや、千年をも超える氷河期の、途方もない月日を跨ぐさみしい時を刻むことがあるかもしれない。
それでもいつかは、人の内面から溢れ出る優しさや人を思う心が、肉と肌とを通じてあなたの心に届いてほしい。その愛と呼ばれる魔法がいつの世にもあり続けますように。そう願うばかりである。