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いざ突入!!!!



翌朝起きて水場へ行った時間には、いくつかのパーティーはすでに出発した後だった。

きっと、私たちが選ばなかった作戦…強行突破に近いスピード作戦を選択したのだろう。


先生の姿も無い。


わかっちゃいたけど、ここからは自分たちでどうにかしろっていうことなんだろう。



「忘れ物は……無いね。」

「やり残したことないかー。」

「「「ない!」」」

「じゃあ、行こうか。」



頼りになるベリリアント君とグレッチェンちゃん。だけど、お互いが主張しすぎることも無い。

中々いいコンビである。


私はそこでちらっと隣で歩くソーン君を見る。



(私とソーン君は、ぼんやりコンビかな?)



ちょっと失礼なことを考えながら、私は体に強化魔法をかけた。途端に体が軽くなるのを感じる。


私の強化魔法も、少しずつ様になってきているようだ。

まったく、慣れとは恐ろしい。以前は空想の産物でしかなかった魔法をこうやって当たり前のように使っているのだから。



さて、そこからの道のりは順調だった。

途中で魔物は2,3匹出たけれど、私達で十分対処可能なレベルだったしね。


むしろ、この程度を4人でどうにかできないレベルならこの実習をクリアできないということなんだろう。

実際先生は一緒じゃないし、他のパーティーとも別行動だし。頼れるのはパーティーメンバーだけだ。



「少し早く着いたけど、どうする?」

「俺は、昨日の予定通りの方がいいと思うが、皆が今突入するというなら、それに従う。」

「うーん、私はすぐに引き返せるところでちょっと様子を見たい。」

「僕も。」

「だね。日程には余裕があるんだから、そう焦ることも無いと思う。」



満場一致で予定通りに進むことにする。わかってはいたけど、このパーティーにはガンガン行こうぜ!な人はいない。

だからと言って、引っ込み思案で他人にお任せの人もいない。



一言で言うと、やりやすい。

自分のくじ運に感謝である。



さて、そうと決まれば突入の前にすることがある。


まずは、入り口付近の水場等の確認と、野営場所の確保。

殆どのダンジョンの近く…初心者向けなダンジョンなら余計に、野営できる場所が用意してある。


ここにも、簡易ではあるが寝泊まりできるところがあるというのは、すでに調査済みだ。



「よし、水はオッケー。」

「野営場所も確保した。」



順調に下準備を終え、互いに報告をし合っていると、ふとダンジョンの入り口で待機している引率の先生……ポリーヌ・ギィ先生がニコニコ微笑みながらこちらを見ているのに気付く。



先生たちは、不測の事態や、怪我をしたとき等のためにダンジョンの入り口で待機しているのだ。

そのため、一番早く出発したパーティーより先にここへ来ていたと思われる。お疲れ様です。



(もしかしたら、夜のうちに着いてたかも。)



私達みたいなぺーぺーとは違って、先生なら夜間の移動も楽勝だろうし。たとえ一人でも。



そんな先生の首には、紐にぶら下げた通信機がかかっている。

私たちの班ではグレッチェンちゃんが持っているアレである。万が一の時にヘルプコールをするための物ですな。


しかし、ダンジョンの中で助けを求める通信を入れたところで、果たして間に合うのか?深部にいたらそこまでたどり着くまで大変だろうに。

そんな疑問をもったものの、基本的に今回の実習中は先生への質問は禁止である。確かめるすべはない。



「……ああやって眺められるのも、ちょっと居心地が悪いもんだね。」


先生の視線に気づいたグレッチェンちゃんが、小声でそんなことを言ってくる。


「だよね。生暖かく見守られてるってかんじ。」

「ふふ、なにそれ。」



いや、ほんとにやりにくいんだって。

何か言いたげでもあるような気がするけど、聞いちゃいけないんだから、モヤモヤしか残らないし。



「まあ、水場の確保と、野営の場所の確認はできたから、設置がすんだら入り口付近で少し戦ってみるか。」

「よっしゃ、頑張る!」



モヤモヤを振り払うように気合を入れていると、グレッチェンちゃんに笑われた。なぜ!?

まあ、気合を入れて悪いってことはあるまい。私は自分にそう言い聞かせながら装備の確認をする。


手に触れる冷たい感触。

そう言うとなんかハードボイルドな表現だが、残念ながら(?)この世界に銃は無い。


ヒューナさんが買ってくれた、あの短剣だ。


あの後『報酬だよ~。』とか言って、そのままくれたんだよね。

あとは、以前父がくれた謎のブレスレットも付けてきた。一応。



「前衛がいないから、えと、」

「俺かソーンが、防御魔法で足止めして、その隙にお前たちが攻撃、か?」

「うーん、二人だけに任せちゃうのはなぁ。防御魔法使うなら、私とサラでもどうにかなるかな?」

「大丈夫か?」

「もしくは、攻撃役を一人に完全に任せて、他の三人は防御に徹するとか。」



本来なら、パーティーはバランスよく組むのが理想である。


だけど、実際戦う時、必ずしもそう都合よくいくわけじゃない。

突発的に戦闘となった時に今回みたいにみんな魔法使いでした!ってことだってあるのだ。


キュミラスさんがムッキムキなのはそういう理由だろう。まあ、あの人は強化魔法使わなくてもいけそうだけどね。色々規格外っぽくて。


まあ、とにかく、そういう訳で私たちの授業でも普通に剣術、槍術、格闘術などがあるんですよ。

当然、騎士学校ほどではないけどね。多少の時間稼ぎは魔法使いであってもできないと実戦では生き残れないのだ。


そのための今回の実習だ。


ちなみに、騎士学校と合同で行う実習では逆に、役割分担をきっちり行った場合の立ち回りを学ぶ……らしい。


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