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ダンジョンへ行こう!!!

ブクマ・評価感謝です!!!

今回から少し行間とか広げました。少しは見やすくなったでしょうか。


「…説明は以上です。質問のある人!!!」



はい、今日はとうとう実習の日です。


中庭とつながった屋外の集会場。2クラス分でも結構な人数がいます。

周囲を見渡してみるけど、同じクラスじゃない子は全然見覚えのない子達ばっかりだ。


人数が多い&クラス替えが無いせいで、同学年でも違うクラスの人は同郷でもない限り知らない人ばっかりなんだよね。


そう考えると、ベリリアント君&ソーン君と組めたのは思った以上にラッキーなのかもしれない。



「他にありませんか?ありませんね。では、各自割り振られた場所へ集まってください。」



先生の声に、皆がやがやと動き始める。


今回の実習で使うのは10か所。どこも初心者向けといわれるものの、一応ダンジョンだ。

それを、3回に分けて行うのだ。ちなみに私たちのクラスは第一陣。つまり、トップバッター。うわー、緊張するー。



先生曰く、



「毎年怪我人も多く出る実習ですが、幸いなことに命に係わるような重傷者は今のところ出ていません。」



とのことだけど、励ましになってるような、なっていないような。

ここで『お、なら安心して大丈夫だな!』なんて楽天的な思考になるのは無理だ。中身がいい歳すぎて。



「……正直、誰か死んでたとしても隠そうと思えば隠せそうだよね。」

「グレッチェンちゃん、怖いこと言わないで。」



ほらー、現に本当に子供であるグレッチェンちゃんも疑ってる。

まあ、国が絡めば隠蔽くらいどうにでもなるんじゃないかって思うよね。


この学校自体が国にがっちり管理されてるわけだし。

どんな国にだって、闇の部分はあると思うし。



「まあ、おととし卒業した先輩に同じパルト出身の人がいたんだけどさ、その人もなんも言ってなかったから大丈夫じゃないかな。」

「…そーだね。」



まあ、私もシャルロッテから何も言われてないしなー。ヤバイ実習があるとしたらあのシャルロッテのことだ。警告くらいはしてくれる、はず。


そんな話をしながら、集合場所に行くと既にほとんどの人がそろっていた。



「点呼を取る。1班、5班、11班…。」



先生の呼びかけに返事をし、指定のところへ並ぶ。ああ、落ち着かない。



「よし、全員いるな。さて、我々が向かうのはここから西にあるダンジョンだ。」



そう言いながら先生が地図を全員に配り、目を通すように指示する。



「一枚目の地図を見ろ。この『アロイ神殿』の近くにある『ドゥーラの森』が目的地だ。ここよりほぼ真西だな。徒歩で7時間ほどだ。」

「おおぅ……。」

「ふふ、というわけで、今夜は野営だ。」



でしょうね。まあ、その辺は聞いていた。

だから一応今回の持ち物にもそのようなセットがあるのだ。お泊りセットならぬ野営セットだ。



「道中の中間地点辺りに小さい家のような印があるのがわかるか?これはキャンプ地の印だ。」



先生が言うのは街道にあるまあ、バンガローみたいな小屋の事だ。キャンプ場ならぬ野営場だ。


一応、水場の確保と風雨を凌げるだけの設備はある……と習っている。



「人通りの多い道、まあ、整備された道には大体設置してある。あとはダンジョンの近くだな。尤もこれには非常に差があって小さな村や、既に町のようになっている場所もあれば、それこそ掘っ立て小屋しかなく水の確保すら困難な場所もある。」



まあ、整備するにも人でもお金もいるもんね。しょうがない。

そうなると、近くにダンジョンがあるラクラエンとか、シュノーブル・マノイなんかはそういった成り立ちなんだろうか。


そんな話を聞きながら、私たちは歩いた。

とにかく歩いた。


まあ、皆強化魔法を使うから、普通に歩くよりはずっと楽なんだけどね。



「冒険者の中には、魔獣や家畜で移動するものもいるな。または人力車を雇ったり、魔力自走車を使う場合もある。遺跡発掘を目当てにしている冒険者などは者が多くなるから特にそういった物を使うな。」



途中の休憩所で一休みしながら先生がそう教えてくれる。魔力自走車とは、ヒューナさんが使ってたアレである。

同時に先生が丸薬?タブレット?みたいな物体を皆に配ってくれた。

水で流し込めば、爽やかな風味とともに体の内側から力がみなぎってくるのがわかる。



「サラから魔力漏れてる~。」

「漏れてる~。」

(漏れてるとか言うな!)



精霊さん達の冷やかしに、私は即座に抗議する。

例え周囲に聞こえないとしても、なんて人聞きの悪い!レディーに対して!!



ちなみに今飲んだのは、魔力を回復させる薬だ。


材料自体は薬草らしいけど、それに果汁やら甘みを足して飲みやすくして更にそれを飲みやすく固めた、とのこと。


魔力の回復薬と聞いたとき、とっさに飲み薬?と思ったものだが、飲み薬は飲み薬でもまさかの錠剤だった。

まあ、確かにかさばる上に入れ物が破損する可能性すらある液体状にわざわざするメリットってないよね。

しかもたくさん飲んだらお腹たっぽたぽになりそうだし。



精霊さんの言葉をシャットアウトし、私は口の中に残る甘みを水筒の水で流し込む。

よし、ここまでの肉体強化魔法により消費した魔力はすっかり回復したようだ。


前世で薬は何度も飲んだけど、同じような気でこの薬を初めて飲んだ時、正直ビビった。

だってあまりに即効性すぎて。

だって怖いでしょ?飲んだ瞬間、効果効能が体の中を駆け巡るのがわかるのは。


だけど、正直魔法を使う者にとってこういった類の薬を使わないという選択肢はないのだ。

よって、慣れた。いや、慣らした。


正直、感覚さえ慣れちゃえば、果物味のラムネみたいなもんだしね。


ちなみにキュミラスさんに言わせると、この類の薬は昔に比べるとすっごく美味しくなったらしい。

昔の魔力回復薬はそれはもう、不味くって、不味くって。と眉間に皺を寄せながら語ってくれた。うわぁ、味の改良をしてくれた開発者さんに感謝。



「さて、あと30分ほどで出発するぞ。水の補給はできるうちにしておけ。」

「サラ、どうする?」

「まだ残ってるけど、一応入れていく。」

「じゃあ、一緒に行こうか。」

「あ、俺も。」



ベリリアント君が私たちに同行してくれる。

ソーン君?その場で待機です。


ベリリアント君によると、連れて行くと他の事に気を取られる可能性が高いので、置いていった方がいいとのこと。扱い慣れてますね。

そう言いながらも、ソーン君の分の水筒もちゃんと持ってる辺り、本当に彼は優しくて気の利く子だと思う。



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