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神様からのアドバイス

ブクマ・評価ありがとうございます!

更新がんばります!!


「私、前の世界、好きだったんです。」

「ああ。」

「だから、覚えているのが辛くって。確かにあそこは私の居場所があったんです。そりゃ、こっちの人達も前に負けないくらいいい人ばっかりだけど……だから、なんか…余計に私がここにいていいのかなって。うまく言えないんですけど、もやもやしちゃって…。」

「なるほど……そこにいていい理由か。ふふ、俺にも覚えがある。」

「フォウ様も?」

「フォウでいい。俺は前の時間の神…リューズの呪いで成長を11で止められた。死ぬことも禁じられてな。」


とりとめのない私の話から、自分の事をそう話してくれたフォウ様だけど、呪いという物騒な言葉に私はぶっ飛んだ。


「の、呪い?」

「ああ。あいつの怒りに触れてな…まあ、それもある意味方便だったんだが……とにかく俺はそれから1000年ちょい、放浪するハメになった。」


1000年以上って……壮絶過ぎません?

なんか、私の悩みがアホらしくなってきた気がする。

そんな私の心を知ってか知らでか、フォウ様はにやり、と不敵な笑みを浮かべた。


「俺がエルフの特徴でももってりゃ周りの扱いも違ったんだろうがな。残念ながらこの通りだから、ちょっと無茶がある。当時は今ほど混血も進んでいなかったしな。定期的に住む場所を変える必要があった。」


かつては、エルフを人間の国で見かけるのは稀だったんだぞ、とフォウ様。

確かに今は見た目に特徴が表れていなくても、体質など内側の部分でその種族の特性を持つ人も多いらしいからね。

エルフっぽい見た目……耳の形とか髪の色をしていても、長命ってわけでもないらしいから。人それぞれという言葉がぴったりなわけだ。


「見た目がガキなせいで、行動や住むところも制限されたり、…まあ、不便だった。」

「そ、そりゃ大変ですね。」

「そのくせ、中身だけは普通に年取るわけだからな。だから中身の年相応の態度をとると訝しがられる。だからと言って、見た目に合わせた振る舞いはちょっと、な。」

「あー、覚えがあります。なるほど、確かにちょっと私と似てますね。」

「ふふ、だろ?」


あ、フォウ様の笑ったところ初めて見た。ちょっと新鮮である。今まで硬い表情ばっかりだったからな。


「だから、お前のことは他人事とも思えんのだよ。己の内面と、周囲の扱いとのギャップに戸惑う姿を見て、余計にそう思った。」

「…。」

「だからこそ、俺はあえてお前に伝えよう。いいか、考え込むなとは言わん。だが、周りをよく見て見ろ。お前を必要としてる奴はたくさんいる。」

「そうですかね?」


自分ではちょっと、自信ないなぁ。

だけど、その私の反応にフォウ様はにやり、と今度は意地の悪い笑いを浮かべた。あ、嫌な予感。


「ふっ、しらばっくれるな。実際今日言われただろ。」

「!!ちょ、」

「ははは。」


知ってたんかい!!てか、見てたんかい!!!

くっそー、からかわれてる!ヒドい!!


「あ、あれは。」

「気づかないふりをするな。目を逸らすな。あのディアンとか言う幼馴染がそんな思ってもないことを言うような男じゃないっていうのは、お前はよく知っているだろう?」

「!…ですね。」


確かに。そっか、否定することはディアンに失礼な話だよね。だから、それはそれで受け止めないといけないんだけど。あー、照れる。少女漫画かよ!!ってなくらいに照れる!!


「とはいえ、不安がるのもわかるがな。まあ、色々やってみろ。やってみてその場に居づらくなったら…まあ、俺に言え。」

「え、フォウ様に?」


思わず聞き返しちゃったけど、どういうことなんだろう。


「失礼だな。これでも放浪してた時、何人か子供を拾って面倒を見てたんだぞ。」

「そうなんですか!?」

「全員立派に……とは言えないかもしれんが、一応皆成人まで育ってくれた。」


さらりと言うけれども、それってすごい事だよね。

放浪しながら、子供を育てるって。しかも色々な制限付き。


ちなみに、法で決められた成人年齢は18歳だよ!まあ、15歳くらいで一人前みたいな扱いになるんだけど。

それを複数回か!ひえーっ。凄い。


「大変でしたね。」

「全くだ。」


肩を竦めてそう言うフォウ様だけど、ちょっとその表情は誇らしげだった。

まあ、病気や日常の怪我だけじゃなく、戦争や魔物という脅威がある中で、皆成人させたわけだからね。


「冒険者になった奴も、国に仕えるようになった奴も、己の目的を果たすために旅立った奴もいる。俺は自分の知っている知識や技術をできる限り教えたつもりだ。」


懐かしむように目を細めるフォウ様。

こういう表情してると、とても子供には見えない。いや、年齢的な見た目からするとどう考えても子供なんだけど、なんていうか、内面か滲み出す何かとかが。語彙力に乏しい私にはうまく表現できないけど。


「ああ、そうだ。なあ、お前知ってるか?魔力っていうのは、鍛えれば鍛える程伸びるもんなんだ。際限なくな。ただ、それを証明するにはどの地上の種族も時間が足りないってだけで。」

「そうなんですか!!?」


突然、思い出したようにそんなびっくり情報を教えてくれるフォウ様。意図がいまいちわからないけれど、どうしたんだろう。


「ああ。だから子供の頃は魔力の量が大したことなくとも、大人になって高名な魔法使いや冒険者として名を残す奴が出てくる。」


だから、努力次第ってことだ。と、フォウ様は優しく微笑む。

と、同時に、一気に視界が白い光に包まれる。




――――――だから、好きに生きろ。

能力を伸ばすも、そのままにするも、最終的にはお前次第だ――――――。





薄れゆく意識の中、フォウ様の声だけが頭の中に深く鳴り響いていた。



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