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嫌なものは嫌です


「仕事だから、やるけどさぁ。」


仕事…だから、やる。

うーわ、ファンタジーのかけらもないな。

まあ、こっちの世界の人たちからすれば、これが日常で現実なんだから幻想って考えるのもおかしな話なんだが。


「あ、あれいらないんですか?」

「いらないよー。」

「だって、普段みんな魔法道具で火を起こす時、わざわざ「炎よ、燃え上がれ」なんて言わないじゃん。」

「魔石使うか、魔力込めるだけでしょ?」

「別に魔法道具が代わりに呪文をしゃべるわけじゃないのにさー。」


い、言われてみれば、魔法道具を使う時、皆無言で起動してる…。

……というか、魔法道具を使って家事とかをする母たちを見た時、前世の家電みたい、と思ったけど、実際そうなのかな?

電気の代わりに魔力を使ってるとか、そういう感覚?仕組みを理解していなくても使えるという点も電化製品と似ている。


そこまで話したところで、ちょうど部屋に母が入ってきたため、精霊たちとの会話は中断してしまったのだが、その日から私は自分で本を使って調べてみたり、こっそり精霊達と話したりして、自分なりに魔法について調べてみたのだ。


そして分かったことがある。


・この世界の魔法は、魔力を思ったように操れれば、別に手段は問わない。

・基本は、魔力を精霊に変換してもらって目的ごとに使い分けるのが大まかな魔法の使い方。そのため、皆目的を呪文として口にし、精霊に命令している。

・だが、精霊への変換作業の命令は、別に口に出さなくても、伝わる。

・しかもその変換作業も、精霊に頼らず自分でやっちゃう人達がごくまれにいる。

・魔法道具は、変換作業を刻まれた魔法陣や機構を組み合わせて行い、決まった動作を行うように作ってある。


理解しちゃうと、不思議な力感が一気に減少してしまう。

なんでだろう…。魔法という存在自体は相変わらず不思議パワーなのに。


その証拠に、一歩間違えば危険な力である魔力の扱いを学ぶために、この世界では5歳になった子供は小学校のようなところで魔力についての基本を学ぶことになっている。

よほどの理由がない限り、子供たちはそこで3年間学ぶことになる。私も春からはその学校に行くことが決定している。


確かに必要な教育であると言える。

だって、我が家にも前世の家電並みに複数の魔法道具があるからね。たぶん他の家庭もそうなんだろう。


ただ、私が心配しているのはそこではない。



(王都とか行きたくない。)



生徒の中でも特に、魔法について見込みのある子どもは基礎教育を終えた後、学校の推薦で王都にある高等教育を受ける学校に送られるのだ。

その学校からは、宮廷魔術師や、有名な研究者、はたまた高名な冒険者の魔法使いなど…数えきれないほどの優秀な人材が輩出されている。

ぶっちゃけ、各地から優秀な人材が集まるため、大した成績を残せない生徒もたくさんいるらしいが、卒業しただけでもかなりの箔がつくらしい。


それくらい、推薦を受けることは名誉なことらしいが…。



私は、調べ物をしている時に知ってしまったのだ。


精霊が言っていた『キュミラス』さん。


なんと、現在の王様に仕える直属の魔法使い、いわゆる宮廷魔術師のトップらしい。



そのキュミラスさんと同じく、精霊を見ることのできる私。

自惚れかもしれんが、転生の件もあるし…ぶっちゃけ、フラグじゃね?




でも、あえて私はもう一度言おう。




王都とか行きたくない!!!

出来れば地元でのんびり暮らしていきたい!


そして今度こそ前回できなかった長生きをしたいのだ!!!


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