平和に一歩ずつ進むのです
まあ、そんな驚きを日々感じながらも、これでもかという位に平和な日々を過ごしまして。
転生してから早3年。
私も無事三歳児になりました。
記憶を持ったまま、異世界に転生!!とかいう、ラノベっぽい体験をした割に、なーーーーんにもイベントらしいイベントはおきませんでした。
ちなみに、この町は王都とは近くもなく、遠くもなくといった場所にあるらしいです。
程々の商店街と、程々の農地。物凄く裕福でもないけどそれなりの活気のある町だと思います。
時々、町の外に凶暴な獣や、魔力を持った獣…魔獣が出没するらしいけど、常駐の守備兵や、冒険者の人々(ファンタジーっぽい!)が無事倒しているらしいです。
討ち漏らした魔獣が町に入り込んで町は大パニック大惨事…とかも起きませんでした。町の人の話ではそんな事態もここ数十年は起きていないそうです。
つまり、非常に平和です。
平和なので、今日も私は家の近くの広場で母たちに見守られながら同じくらいの年の子達ときゃいきゃい遊んでいます。
開き直って精神年齢とかあんまり気にしないで遊んでます。正直、吹っ切れると童心に返って遊ぶのも結構楽しいのよ、これが。
そんな感じで、近所の人たちとも仲良くやっていると思う。
ちなみに、私の評価は「おりこうさんだけど、ちょっとうっかりさん」である。
お利口さんはともかく、うっかりさんって言われるの初めてじゃない気がする。というか昔も言われてた気がする。
まるで成長していないってことか?
と、とにかく、知り合いや友達も大分増えた。よく遊ぶのは同い年のファルに、1つ年上で双子のディアンとシャルロッテかな。
他にも、例のダリルさんをはじめとした、ケモナー歓喜な人達もいるよ!
「うがー!!待てぇー!」
「きゃー、逃げろー!」
ちなみに今日は前世で言う鬼ごっこをした。ちなみにこちらではオーガごっこというらしい。それっぽい!!
ルールはだいたい一緒だが、追いかけ始める時、合図の為気合の入った雄たけびを上げるのが一般的らしい。本格的!!
「ばいばーい。」
「いやぁぁ!!まだあそぶーー」
「だめだよ、ディアン!カラスがないたらかえるんだよ!!」
駄々をこねるディアンをお母さんと一緒にシャルロッテが引きずりながら帰るのはいつもの光景だ。
一応、ディアンが兄ということになっているのだが、シャルロッテの方がおませさんなのか、お姉さんっぽいのだ。
夕方まで遊んで、おうちに帰る。
それから夕飯まで、お手伝いや、一人遊びをして過ごすのが私の日常となっていた。
そういえば、少し前から両親が絵本らしき物を見せてくれるようになった。
らしき、と言うのは、当然ながらまだ文字がほとんど読めないからだ。
子供だから文字が読めないのは当然なんだけど……何で最初から聞き取りと理解はできたんだろう。
……記憶と意識があるのに、回りの人たちが訳わからん言葉で会話してたら、ストレスたまるからかな?
まあ、神様たちの配慮と言うことにしておこう。
というわけで、私の現在の目標は、文字を覚えることである。
幸いにして、我が家の生活水準は庶民の中では高めのようだ。ゆとりのある生活と言える。とりあえず衣食住に困った様子はない。
たぶん私が学ぶ姿勢を見せれば、機会を与えてくれるのではないか。
興味を持ったものなら、学ぶのも不思議と苦労にならないものである。