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お茶会


「サラちゃんは、今四年生なんだ。」

「はい。」


目の前には、ニコニコと微笑むレヌールさん。


本をゲットした後、私たちはレヌールさんにお茶をすすめられた。

お店の奥、窓際のところに小さなテーブルセットがあったらしく、商談や、まあ……いろんな話をするのに使われているらしい。

ルダ様が言うにはそれこそアルフェ様たち、傭兵相手にするような話もここでするみたいだけど、そうとは思えないほどセンス良く可愛らしい一角である。

ごっつい傭兵さんがこの可愛らしい席に座ってるところを想像するとなんかシュールだな。


そんなことを考えながら、暖かい紅茶を頂きつつ雑談を続ける。


「ふうん、進学?それとも働きに出るの?」

「進学にしようかなぁ、と。」

「あら、一応って感じだねぇ。」


うーん、考えた結果ではあるんだけどな。

地元に戻り、安定した(危険の少ない)職に就き、そのまま平穏無事に過ごし、前世よりずっと長生きしたい!というのを目標にしている私にとっては、学歴はあって損はないものだし。

相変わらず夢がないというか子供らしくないというか。自分でも思うけど。


「この間の様子を見ると、冒険者でもやっていけそうだけどね。」

「そうなの?」

「いやいや、あれは偶然ですよ。」


そのあたりは全力で否定。

アルフェ様の言うこの間とは、あのロックベアに襲われた時の事だろう。

あの神回避を言っているのかもしれないが、あれは本当に神……フォウ様の力だからね。私の実力じゃない。


だけど精霊さん云々のことは話せても、さすがに神様については話せないわ。

この世界にも宗教はあるけど、特定の神を信仰するというよりは、自然信仰のようにこの世界を作った神に感謝するって感じだし。ルダ様はなんか知ってる様子だったけど。


「まあ、上級学校に行けば、更に職には有利だけどさ。」


更に詳しく話を聞いたところ、レヌールさんも魔術学校の上級学校まで通っていたらしい。


元々は別の国出身だけど、戦争で難民となり、たどり着いたこの国で両親が亡くなったため孤児となったが、その孤児院から王都の学校に推薦されたとのことだ。

孤児院まで国は目を光らせているのか…ある意味そこまで影響が及んでいるということはそれほど国の統率がとれているということかもしれないけど。

ある意味簡単に魔王と言われる存在は生まれてしまうのかもしれないな。


「ほら、二人とも、傭兵団に勧誘しなくてもいいのー?ツバつけとくなら、今のうちじゃない?」

「え、どうした、急に。」

「なんかね、私のカンがピンときたの。傭兵団で確保しておいて損はない人材だと思うの。」


ピン、と指を立てやたら私を推すレヌールさん。いや、それほどの人材じゃない…と思う。精霊さんとコミュニケーションが取れるというだけで、別に強くないし。


「カンかよ!」

「あら、ただのカンだって馬鹿にしたもんじゃないでしょ。なんたって私がこの商売やってられるのもこのカンのおかげだもん。」


ルダ様が言ってたお店に来る人間が何が欲しいかわかるっていう能力か。

一、二回なら偶然で片付けられるかもしれないけれど、商売にできるくらいだから正真正銘レヌールさんの能力なんだろうね。


「……無理強いはできない。」

「まーそーなんだよな。俺達は大歓迎だけど、傭兵団って一般的にイメージ悪くてさぁ。」

「まあ、貴方たちのところは団長さんがしっかりしてるから、評判いいけど、他は…アレなところも多いからねー。」


まあ、私も傭兵って聞くと荒くれもの集団っていうイメージある。

前世でもなんだっけ…名前忘れたけど…神聖ローマあたりが使ってた傭兵団について習った気がする。そのイメージのせいかな、派手で荒くれものっていうイメージがあるんだよね。偏見かもしれないけど。


「俺達だって、団長がああじゃなければ……まあ、カナハはともかく特に俺なんて、親御さんが近づけたくない人種だろうよ。」

「え?」

「だって俺……あ。いや、子供の前でする話じゃなかったな…。」


そこでアルフェ様が口ごもる。何、何を言おうとしたんだ。


「まーたそんなこと気にしてるの、この子。」


ルダ様が呆れたようなまなざしを向ける。カナハさんも同じような表情だ。

そして、レヌールさんも。え、何だろう。女癖が悪かったことについては今更だし。


「そうよぉ。だいたい、何十年も前ならともかく、今なんて宮廷魔術師団とか騎士団にだって貴族階級じゃない人がうじゃうじゃいるじゃない。それこそ外国出身者とか冒険者上がりだって。」

「…ん。」

「前の宰相さんなんて、全く経歴不明だったらしいじゃない。」

「あれは王様の愛人だったって話じゃないか。」

「あんなのただのゲスな噂でしょー?」


なんか、愛人云々の話の方が余程子供向けじゃない気がするが。私の微妙な表情に気づいたのか、レヌールさんが慌てて話を中断する。


「あ、ごめんね。変な話しちゃって。」

「いえいえ、お気になさらず。」

「あらー、本当に平気そうだねー……意外と耳年増?」

「子供に向かってなんて言い方するんだ……。」


本当になんて言われようだ。

ここはちんぷんかんぷんですーっ、て感じな演技をした方がよかったのだろうか。


「よくわかりませんけど、私も思っていた傭兵とイメージが違って驚きました。お二人ともすごくお優しいですし。」


優しいに力を込めて言えば、アルフェ様の顔がピクリとひきつる。はい、そうです。嫌みです。

アルフェ様はコホンと一つ咳払いすると、改めて教えてくれる。


「団長が元々騎士だからな。俺達…特に子供の頃から在団してるような奴らは結構厳しくしつけられてるんだよ。」

「あー、ミラン公国最強騎士だったって聞いたことがあります。」

「お、よく知ってるな。」

「友達が教えてくれました。」

「さっすが有名人だねー。」


レヌールさんが楽しそうに言うが、言われたアルフェ様とカナハさんもまんざらではなさそうだ。


やっぱり身内が褒められるとうれしいもんなんだね。



サラが例えに出してる傭兵団はランツクネヒトの事です。

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