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思いがけない出会い2


(精霊さん?)


私の周りをふよふよしてる精霊さんとは気配の強さがケタ違いだけど、気配の質は同じだ。

親玉とかかな?


「ルダさまだー」

「ひさしぶりー」


と、途端に周囲の精霊がわらわらとオレンジさんの周囲に集まっていく。

そして、その中心にすっと、小さな女性が現れた。そしてそのままオレンジさんの肩に腰かける。


もしかしなくても彼女が『ルダ様』だろう。

人間に例えると20代後半くらいかな?落ち着いた感じの金髪美女である。


しかし、小さい。

例えは悪いが、お人形さんのようだ。バー●ーとか。

まあ、とにかく人型だけど、それくらいのサイズ感ってこと。


「とは言ったものの……まあ、ここでは説明しづらいわね。あなた、そっちの子には知らせてないんでしょ?」


にっこり微笑んで私に確認する『ルダ様』。

あ、バレてる。


確かにディアンには、精霊さん関係のことは話してない。


というか、キュミラスさん以外には話してない。

なんか言わない方がいい気がしていたんだ。

この力が異質なんじゃないか?と気づきかけた幼少の頃からそれは思っていた。


だってあの日、精霊さん達の存在に気づいた時、私以外にも人はたくさんいたけれど、誰もその存在を気に留めていなかったから。

あれだけの数の精霊さん達が口々に呪文に対する悪態を冒険者さん達に投げつけていたけど、誰もそれに反応する様子が無かったから。


年を重ねる程、それは確信に変わる。

確かに皆精霊という存在自体は『知っている』。

だが、人同士のように関わり合う存在ではなく、ただ決められた言葉を用いることによって決められたように魔力の変換を行う存在としか認識していない様子だったのだ。

こんな風に直接会話したり、ましてや見たり触れたりする存在とは思ってもいないのだ。


だから、基本的にばれない限り、そして万が一ばれた場合でも、その人が信用できない限りは話さないと決めたのだ。

まあ、キュミラスさんとの会話でその判断が正しかったことが判明するんだけど。


「ん、どうした、カナハ。変な顔して。」


チャラ男さん…あ、思い出した。アルフェ様。が、いぶかしげな顔をして近づいてきた。

オレンジさんはカナハさんっていうんだっけ?ちょっと変わった名前だな。どこの出身なんだろう。


「…いや、無事ならよかった。」


カナハさんは、表情を動かさないまま、剣を収める。

いつもこんな様子なのか、アルフェ様はそれ以上追求しない。流石同じ傭兵団の仲間同士。言葉がなくともお互いの言いたいことはだいたいわかるらしい。


「助けていただいてありがとうございました。」

「ありがとうございました。」


ディアンと二人で頭を下げるけど、言われた側のアルフェ様とカナハさんは微妙な表情をする。ん?どうした?


「いや、逆にこっちが謝らないと。実は今回俺たちの傭兵団がこの町に呼ばれたのは、こーいう魔物が町の近くまで出てきたからなんだ。」

「そうなんですか?」

「ああ。冒険者だけじゃ手が回らないらしくてな。ちょうど近くの町まで来てたから。」


ここは王都。

したがって、冒険者も多いはずなんだが…。その冒険者の手が回らない?


「…今、マノイのシルメリア遺跡が稼ぎ時なんだ。」


疑問の表情を浮かべた私達にカナハさんがぼそり、とそう教えてくれる。体格の割に声小さいな!!


「稼ぎ時?」

「そ。年に一度、この季節になると魔力の流れの関係でその遺跡に稼げる魔物と稼げる素材がいつもよりずっと多くなるんだわ。だから中堅以上の稼ぎたい冒険者はそっち行っちゃうの。」


なるほど。納得。


「だから、ロックベア討伐は俺たちの仕事の中に入ってるんだ。だから気にする必要はないんだよ。むしろおっかない思いどころか、下手したら死なせちゃうところだったんだ。こっちが謝るべきなんだよ。」

「いやいやいやいや。」


不可抗力だろ!魔物と遭遇は!

ブンブンと揃って頭を振る私とディアンをみてアルフェ様はケラケラと明るく笑った後、私の頭を優しく撫でながら顔を覗き込んでくる。うわぁ、今この状況見られたら、私ラディエルさんに嫉妬の炎で焼き尽くされそう。


「しかし、君あの攻撃よく避けたねぇ。」


アルフェ様の言葉に、カナハさんの眉がピクリ、と動く。こ、怖い。


「き、危機一髪でした。」

「だねぇ。当たってたら即死レベルの攻撃だったね。あれ。」


改めて言われるとマジ血の気が引くんですけど。そして不自然に思われてないか?これ。

キョドりながらも頭を撫で続けられていると、アルフェ様の背後に変わらぬカナハさんの仏頂面が見える。

その横には、相変わらずフヨフヨ浮いている『ルダ様』の姿も。


「うふふ、後であなたの話、じっくり聞かせてもらいますからね。」

(はは、機会があったら…。)

ひきつった笑いで『ルダ様』から目をそらす私。


『ルダ様』みたいな精霊…だと思うんだけど、そういう存在について私は何も知らない。

相手の事を全くわからないというのは危険である。できればキュミラスさんに相談してからにしたい。だからこの場は適当にはぐらかして…。


「逃げないでね。」

(……はい。)


ルダ様の圧力に負けて、私はそう承諾してしまったのだった。





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