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衝撃的な再会と再会


「ちょっと遅くなったな。」

「だね。急ごうか。」


シャルロッテと別れた後、既にお昼近かったためお店に行く前に食事をすることにしたのだが、思ったよりレストランが混んでいてちょっと予定より遅くなってしまったのだ。


「知ってたけど、遠いよね。」

「ほんとにな。なんであんな町はずれに店作ったんだか。」


目的のお店は、美味しい焼き菓子を売っているところなのだが、町の中心から結構距離がある。

なんでも、シャルロッテとディアンのお父さんのお友達がやっているお店らしいのだが……。


「まあ、この林抜ければもうすぐだしな。」

「林っていうか、ほぼ森だよね。」


以前一回行ったことがあるけど森の中に建つポツンと一軒家状態なお店は、店の雰囲気も相まって赤ずきんのおばあさんの家ってこんなじゃね?っていう感じなのだ。

味はものすんごく美味しいけどイマイチ有名になれないのは、この立地のせいだと私は思っている。


森…もとい、林の中の道を進んでいくけれども、木々の奏でる音が不気味でぶっちゃけちょっと怖い。全体的に暗いから余計に。

二人して速足になるのも無理もない、といった状態である。


しかし、今回の物音は少々違っていた。


「サラー。」

(ん?)


精霊さんが目の前にいきなり現れたが、ディアンが横にいるため必死に表情を変えないようにしながら念話を返す。

流石に10歳過ぎてある程度このような事態に慣れてきたとはいえ、元来うっかりさんの私である。うっかりボロが出ないように気を付けないとならない。


「あのねー。あっちからねぇー。」

(あっち?)


不自然にならない程度に顔をそちらに向ける。一体何が…。


「あ、もう来ちゃう。」


珍しく焦ったような精霊さん達。

何事か、と思った私だったが、すぐにその理由に気づく。

急激に跳ね上がった心拍数を感じながら、私は隣を歩くディアンを呼び止めた。


「ねえ、ディアン。」

「ん?なんだ。」

「あのね…。」


嫌な気配…魔力がする。


と、私が小声で告げると、ディアンも表情が険しくなる。

魔力の操作や感知はあまり得意じゃないディアンだけど、「ある」とわかっていれば魔力を感じることくらいはできるのだ。

そこからの彼の判断は早かった。


「サラ……走るぞ!!」


ディアンの声で、私は全速力で駆け出した。

と、同時にテンプレのように背後の木がなぎ倒され、でっかい魔物が現れる。


「で、でかいぃぃぃ!」

「とにかく今は走れ!」


言われなくても走ります。

ちらっと見ただけなんだけど、教科書で見たことのある魔物だ。


ロックベア。


地の魔力を纏った熊のような魔物だ。

体長は3メートル前後にもなり、腕力が強い上に時々地属性魔法を使える個体も現れるという、どう考えても初心者向けではない魔物です。



ああ、背後からガルガル叫ぶ声と、でかい足音と、周囲の木がボキボキ折られる音がする。コワイ!!!!!




どのくらい走っただろうか。



そろそろ限界が近い、と焦りを感じ始めたころ、背後からの爆発音に私は死を覚悟する。


今度はなんじゃい!!

半ばパニックを起こしながら、やけくそぎみに重い足を必死で動かし続ける。


が、すぐに背後の叫び声の感じが変わったことに疑問を感じ、私は走りながら背後を振り返った。


「はあはあ、ディアン、あ、あの人達!」

「ん!?あ!!!」

「よ、傭兵団の、」



そこにいたのは、先ほど町で見かけた人達……………。

名前なんだっけ?



あ、ヤバイ、体力が限界だ。


そんな私に気づいたのか、ディアンも走るのをやめて私の肩を支えてくれる。いいやつだ。

ディアンは私ほど息が乱れていない。流石騎士学校組。強化魔法も使ってたみたいだし、やるなぁ。


「お前達、無事か!!」

「は、はい、何とか。」



そしてそこには、雷光傭兵団(傭兵団の名前は思い出した)の、チャラいイケメンさんと、オレンジ頭のお兄さんがいました。





「とりあえず、もうちょっと離れてな。」


チャラいイケメンさん(もうチャラ男さんでいいか)はニコリと微笑んだかと思えば、すぐに表情を引き締め、ロックベアと対峙する。


「マジで町の近くでも出るんだなー。」

「気を抜くな。来るぞ。」


オレンジ頭のお兄さん(もうオレンジさんでいいか)が低い声でそう言うが早いか、体制を立て直していたロックベアは二人に目標を定め、その恐ろしくぶっとい腕を振り回し始めた。


「ち、上級個体だな。」

「魔石でも喰ったかねー。」


チャラ男さんがにやりと笑いながら、右腕に魔力を集め始める。あ、この人詠唱してない。


「あ、ダメか。」

「あれだけでかけりゃな。」


どうやら足止めの魔法を放ったみたいだけど、予想よりロックベアが強かったせいか失敗したらしい。

だが、それも想定の範囲内だったらしく、二人に焦った様子はない。


「直接斬る。」

「やっぱりそうなる?」


任せるわー、とチャラ男さんはオレンジさんに補助魔法をかけると、そのまま一歩退いた。



「はっ!!!」


同時にオレンジさんが駆け出す。

そして私たちは度肝を抜かれた。



「早ぇ…。」


隣のディアンの呟きに同感。早っ!補助魔法掛けてるにしても、早っ!


それはロックベアも同じのようで、まったく反応できてない。

そのまま、オレンジさんはロックベアの左足を一刀両断する。おおう…。


「グギャァァァア!」


耳をつんざくような叫び声に、私たちは思わず耳をふさぐ。

いくら色々訓練しているとはいえ、まだ学生の私達には色々刺激が強いのだ。


「まだか…しぶといな。」

「!こいつ!」


ん、チャラ男さんの表情が変わる。何かあったんだろうか。


「グワァァっ!」


ロックベアの口元に魔力が集まる、と同時にそこから土の魔力が放たれるのがわかる。


うん。それはわかるのよ。

一応魔力の感知はそれなりに得意だし。


問題は、その魔力が一方向じゃなくて、あっちこっちに散弾状態で放たれたことだったりする。


「!!!やべぇ!!」


チャラ男さんの焦ったような声が聞こえるけど、そっちを見ている暇はない。

だって、土の魔力の塊がこっちにも一発飛んできたんだもん。




「危ない!!」




聞こえたのは誰の声だったか。

無意識のうちに、私は隣のディアンを突き飛ばしていた。


土の魔力……岩の塊を視界の隅にとらえながら。




今度こそ長生きしたかったのに!!前回より更に短いとか!!!

そんな悔しさを感じながら、私は今後こそ死んだと思ったのだったが。




「……あれ?」


しかし、覚悟していた衝撃が私の身に訪れることはなかった。

恐る恐る、いつの間にか閉じていた目を開けると。




「…まにあったか。」



そこには…ショタ…もとい、あの会議(?)に出席していた無口な少年の姿があった。



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